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532 中国産養殖 ~活バナメイエビ~


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今日はホテルで写真を撮った。

香港で毎回宿泊するホテルの近くにあるスーパーマーケット。
Tasteという名前のスーパーなのだが、ここの鮮魚コーナーにパック詰めのエビが売っている。
朝行くとパックの中で動いているくらい鮮度のよいエビ。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei

表示をみてみると「Whiteleg Shrimp」と書いてある。
白い足のエビという意味だ。
このエビの学名は Litopenaeus vannamei(リトペナエウス・バナメイ)。
そう、これがかの有名なバナメイエビなのだ!

今や日本中のスーパーで普通に買えるエビなので、特に珍しくもなんともない。
しかし、活バナメイエビは恐らく日本では見ることができない。それくらい希少なのだ!

自分が子供の頃にはそんな名前のエビは聞いたことがなく、スーパーに売っているエビの定番と言えばブラックタイガーであった。
これはウシエビ (Black Tiger Prawn)という種のエビ。
これが東南アジアで養殖され日本に入ってきていたのだが、現在はより養殖がしやすい東太平洋のバナメイエビが主流になってきている。

スーパーでは傷みやすい頭は落とした状態で、冷凍品として流通している。

それにしても同じクルマエビ科のヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)と非常によく似ている。

それでは貴重な活バナメイエビの標本写真を撮影してみよう。
触角は非常に長く、体長以上の長さだ。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 14.5cm

ヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)と本当によく似ているが、色は若干緑っぽい印象。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 14.5cm

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 14.5cm

活の状態でないと使えないのであまり有効ではないが、尾部の色はやや特徴的。
外縁が緑っぽく、先端は赤っぽい。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 14.5cm

別の個体はどうだろうか。
上の個体より大型のもの。色は薄い。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 16.0cm

尾部は先ほどより色が薄いが、外縁がちょっと緑色のような・・・そして先端が赤い。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 16.0cm

しかし、これだけでは生の状態でないと区別がつかない。
眼の眼の間にある角(額角)だと例え加熱されていたとしても特徴は残るし、多くのエビの見分けにもこの部分の特徴が使われる。
これをヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)と比較してみよう。
上がWhiteleg Shrimp (バナメイエビ)、下がヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)。

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□ Whiteleg Shrimp (バナメイエビ) Litopenaeus vannamei 14.5cm

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■ ヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn) Metapenaeus ensis 10.0cm

パッと見ただけで、額角のゴツさが全然違う。
Whiteleg Shrimp (バナメイエビ)は太く、根本近くに盛り上がりがあるのに対し、ヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)は細く一直線に近い。
額角の最後の棘(↓で示してある)の位置に注目すると、額角の先端から頭胸部の終わりのちょうど真ん中にくるのがヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)。Whiteleg Shrimp (バナメイエビ)は真ん中よりも後方にある。
側溝の終わる位置(↑で示してある)も違いがある。
Whiteleg Shrimp (バナメイエビ)では額角の最後の棘とほぼ同じ位置、ヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)ではやや後方。

そして確実な違いはこれ。
額角の下縁に歯があるかないか。
ヨシエビ (Offshore Greasyback Prawn)には歯がないが(写真では眼で隠れてしまっているが、この部分にも歯はない)、Whiteleg Shrimp (バナメイエビ)には斜め↑で示した様に歯がある。

ここまで覚えていると、料理されて出てきたものでも見分ける事ができるかもしれない。
これまで香港で食べたエビがWhiteleg Shrimp (バナメイエビ)かどうか、ちょっとみてみよう!


<撮影種一覧>
<甲殻類>

□・・・養殖個体



by takuyamorihisa | 2016-09-14 21:00 | 取り寄せ・市場購入

531 Tung Chung Bay ~香港の素晴らしい干潟とそこに生息する生き物たち その2~

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今日はTung Chung Bay(東涌湾)に行ってきた。

前回から3週間ぶりに訪れる香港。
今回も休日を1日とって香港の大自然を冒険することにした。

あいにくビリー博士は授業があるとのことで、今回は一人での冒険だ。場所は前回と同じ香港国際空港の対岸にある東涌湾。

前回バスの番号を写メで残していたのが大活躍。多少迷ったものの、無事干潟への入口へと行くことができた!
まさに南国の雰囲気ただよう香港の街路樹。

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美しい東涌川を渡る。

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まず最初に撮影したのはオヒルギ (Black Mangrove)。
この種は水際よりやや上の場所がお好きなマングローブ。背も高くなる。

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■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza

まるでタコウインナーのような花を咲かせるため、花が咲いていればすぐに見分けられる。

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■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza

最初に出会ったカニは日陰で休んでいるベンケイガニ科の1種。
ベンケイガニ科のうち、ここで最もたくさんみられるのはフタバカクガニ (Red-clawed Crab)なのだが、どうも違うようだ。
確かめようとして近づくと逃げられてしまい、姿を見失ってしまった・・・

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■ ベンケイガニ科の1種 (Sesarmidae) Sesarmidae sp.


川沿いに大きな貝が転がっているのを発見っ!!!
ヤエヤマヒルギシジミ (Mangrove Clam)だ。デカいっ!!!

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■ ヤエヤマヒルギシジミ (Mangrove Clam) Geloina erosa

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■ ヤエヤマヒルギシジミ (Mangrove Clam) Geloina erosa 殻長6.6cm

よくみるとあちらこちらに埋まっている。貝堀りに来ている人が多いにも関わらず、これだけ見るということは美味しくはないのだろう。

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■ ヤエヤマヒルギシジミ (Mangrove Clam) Geloina erosa

この湾のシオマネキ類の中で最も多い種、ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)。
白い点はすべてこのカニだ。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea

オスは片方のハサミが巨大化し、メスへのアピールやオス同士の戦いに使われる。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅1.6cm


オスがメスを一生懸命誘っている様子を動画で撮影してみた。
メスがオスのいる巣穴に入っていけばカップル成立なのだが、どうやらこのときは上手くいかなかったようだ。



マングローブ林を流れる小川のほとりで。
ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)が餌を食べているところ。画面右下のオスはメスをみつけてはアピールを繰り返している。



ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)は正直たくさんいるし、何度も撮影しているので、それほど撮影欲がわかなくなってしまっているのだが、1匹とても変な動きをしている個体をみつけた。
メスが歩脚を上げて、甲の側面にある縞模様を見せたり隠したりしている。
なんだこの動きは???
手前のオスは間違いなくハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)だが、このメスは違う種なのだろうか?
側面に縞模様のある個体、それを利用したディスプレイをするような個体は初めてみた。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea

う~ん何者だろうか。
おそらくハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)のメスだと思うけど・・・

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea


河口で石に泥をかぶっているような場所で多くみられたドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae)。
前回観察したものと同じ種だと思われるが、未だ同定が出来ていない。
この仲間は貝殻を持たない貝の仲間。

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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.

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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp. 4.6cm

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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp. 4.8cm

このエリアで最も多くみられる魚類、トビハゼ (Shuttles Hoppfish)。
トビハゼ (Shuttles Hoppfish)は水中より水上の方が好きだという不思議な魚。
陸上でカエルのようにぴょんぴょんと飛び回る。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus


砂の場所を歩いていると1匹のヤドカリをみつけた。
ツメナガヨコバサミ (Tsumenaga Yokobasami)だ。
名前のとおり歩脚の指節(一番先端の節)が長く、歩脚の中央に青い線が入るのが特徴。
昔石垣島へ行ったときはたくさんいたのだが、今回確認したのはこの1匹のみ。

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■ ツメナガヨコバサミ (Tsumenaga Yokobasami) Clibanarius longitarsus


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■ ツメナガヨコバサミ (Tsumenaga Yokobasami) Clibanarius longitarsus

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■ ツメナガヨコバサミ (Tsumenaga Yokobasami) Clibanarius longitarsus

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■ ツメナガヨコバサミ (Tsumenaga Yokobasami) Clibanarius longitarsus


別の種のヤドカリをみつけたが、つかまえて撮影していないのでどの種か見当もつかなかった。

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このエリアでは普通種のフタバカクガニ (Red-clawed Crab)。いたるところでみられる。
このカニは日本にも生息しているのだが、香港でみられるものはハサミがより赤く、同じ種なのだろうかと思うほど見た目が異なっている。

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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens


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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens

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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens 甲幅2.3cm

そうそう、ここで書いておかなければならないことがある。
この素晴らしい香港の自然、なんと今回は独り占めしているのだ!
前回来たときは20人くらいの人がいたのだが、なぜか今日は一人も見当たらない。
なんと贅沢なことだろうか!!!

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そして小さな小川の上流へ。
ここはマングローブが生い茂る泥底のエリアでよりたくさんのシオマネキ類がみられる。

まずはシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)。
赤が美しい、大きめのシオマネキ類だ。
日本国内でみられるシオマネキ類では最大種。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata

ハサミの可動指の長さと掌部の長さを比較して、可動指の方が長いというのが本種の特徴なのだが、下の写真のように可動指と掌部の長さが同じ個体もいるようだ。
香港の漁農自然護理署のサイトではこの見分け方で、可動指:掌部が1:1の場合は U.acuta(アキュートフィドラークラブ)になると書いてあったが、どうみてもこれはシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata


初めて本種を撮影してからずっと撮影したいと思っていた念願の標本写真。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata 甲幅2.3cm


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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata 甲幅2.0cm

続いてNorthern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ)。
このカニはわりと歩き回るのが好きなカニで、自分の巣穴から離れようとしない他のシオマネキ類とちょっと違う。
大ハサミがWの形になっているのが特徴だ。

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis


Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ)のウェービング。
こっちこい!とメスにアピールしている。

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis

念願の標本写真。

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis 甲幅2.1cm


こちらはメス。
ハサミ脚はどちらも大きくならない。
対してオスは上の写真のようにどちらかのハサミ脚が巨大化する。
これはシオマネキ類に共通してみられる特徴だ。

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis 甲幅1.3cm


マングローブを流れる小川のほとり。
ここではNorthern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ)、ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea、シオマネキ (Bowed Fiddler Crab)、トビハゼ (Shuttles Hoppfish)などがみられた。
どれがどの種だかお分かりになるだろうか。




このマングローブでみられるカニの中で最も美しい種だと思う、Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ)。
このエリアでは希少種で、広大なこの湾でも半径5mくらいのエリアでしかみていない。

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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida


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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida

こちらも念願の標本写真撮影に成功!
なんて美しいのだろうか!

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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida 甲幅1.8cm


この湾でみられた4種を比較。
左上がシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)、
右上がSplendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ)、
左下がハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)、
右下がNorthern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ)。
初めて香港の干潟へ来たときは、全然同定ができなかったが、今ではこの4種の見分けは簡単にできるようになった。
進歩したなぁ~!

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そしてもう一つ進歩した点。
それはカブトガニをみつけるのが上手くなったことだ!
小川で餌を食べているMangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ)の幼生。
写真のように移動すると跡がつくので、それを追っていけばみつけることができる。
簡単だと思ってしまうが、いざフィールドではなかなかこの跡をみつけるのが難しいのだ。

ちなみにこの小川はほとんど塩分のない汽水。
舐めた感じだと、恐らく海水の1/5~1/10くらいではないだろうか。

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda


標本写真も撮影できて感無量!

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda 甲幅5.7cm


腹面はまさにエイリアン!

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda 甲幅5.7cm

こちらの個体は尾剣が曲がってしまっている。

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda 甲幅5.7cm


Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ)の側眼。

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda 甲幅5.7cm


ひとりを満喫しながら写真を撮っていると、ここで小川の上流からザックザックと人の足音が聞こえてきた。
緊張が走る。
フレンドリーな人ならいいが、なんか嫌な人だったら台無しになるだろうし・・・
密猟者とか・・・

音はだんだん大きくなってくる。
姿が見えたと思ったら、なんと若い女の子だった。

おっさんが干潟でMangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ)を捕まえてしゃがみこんで写真を撮っていたら、どう思われるだろうか。変な人だと思われないようにこちらから「Hello!」と声をかけておいた。敵意はありませんよ。怪しいものじゃありませんよのアピールだ。

撮影を続けていると、彼女も何やら道具を取り出して撮影をしているようだった。
これは明らかに研究者!
気になったので声をかけてみた。

「やあ、君は何をしているの?何かの研究?」
「そう。シオマネキの研究をしているの。オスは巣穴を作るんだけど、その巣穴の片側に壁を作って、ライバルのオスをけん制するという生態があるので、それを研究しているのよ。」
なんと面白そうな!!!
話を聞くと香港大学の学生さんだった。この大学は香港で最も賢い大学。アジアでは3位の大学だ。

今度は自分の話など、いろいろ話しているうちに仲良くなった。
彼女のフィールドワークはハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)の巣作りの様子を5時間も撮影し続けなければならないらしい・・・
そりゃ暇を持て余して大変だ。

携帯をかまったり、写真を撮ったり、気が向いたら話しかけてみたり、各々が好き勝手に行動している中、
彼女が何かを持ってきてくれた。
「ねえ、このカニの種類分かる?青いカニよ。」
そこにはとっても小さい見たこともない青いカニがいた。
恐らくこの体型はシオマネキ類だが、みたことがない。
何かの幼カニだろう。

顔を地面に近づけて観察していると他にも青いカニがいた。
なんて綺麗なカニだろうか!

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それにしても、こうやって海外で知らない人と生物の事で話が合うのは楽しい。
音楽に国境はないというが、生物好きにも国境はない。

機材があるのでその場を離れられない彼女に別れをつげ、まだ行ったことのないエリアへと足を運んだ。
前回観察できなかった新しい種に出会えると嬉しいな。

ベンケイガニ科っぽいカニ。
フタバカクガニ (Red-clawed Crab)ではないようだが・・・

甲の形と体色から恐らくカクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani)。

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■ カクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani) Parasesarma pictum


付着性の二枚貝のようだ。

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石をめくるとイソギンポ科の魚が。
島根県にもいるトサカギンポ (Tosaka Ginpo)だ。

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■ トサカギンポ (Tosaka Ginpo) Omobranchus fasciolatoceps


何年かぶりにみた。
懐かしいなぁ~。

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■ トサカギンポ (Tosaka Ginpo) Omobranchus fasciolatoceps


ここでは石をめくると何かいるということを発見した。
ケブカガニ科のマルミトラノオガニ (Heteropanope glabra)だ。

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■ マルミトラノオガニ (Heteropanope glabra) Heteropanope glabra
*当時は未同定だったが、後日同じ場所で採取したものから同定した。


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■ マルミトラノオガニ (Heteropanope glabra) Heteropanope glabra
*当時は未同定だったが、後日 同じ場所で採取したものから同定した。


上と同じ種かと思ったがどうも違う。
乾燥しているので全く印象が異なるがタカノケフサイソガニ (Brush-clawed Shore Crab)。
この石の下シリーズはかなり強敵だらけだ。

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■ タカノケフサイソガニ (Brush-clawed Shore Crab) Hemigrapsus takanoi
*当時は未同定だったが、後日 同じ場所で採取したものから同定した。


こちらもタカノケフサイソガニ (Brush-clawed Shore Crab)。


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■ タカノケフサイソガニ (Brush-clawed Shore Crab) Hemigrapsus takanoi
*当時は未同定だったが、後日 同じ場所で採取したものから同定した。


Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ)ではなくカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の死骸。
ここでも大量死か!?
なんて思って近づいたら抜け殻だった・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

それにしても暑い。
9月だから少しは涼しいのかと思って油断していたが、暑い。
持ってきていた2本のペットボトルは開始2時間で全てなくなり、それから3時間飲まずで活動している。
汗も出てこなくなってきた。

これはやばい。

脱水症状の手前だ。

このエリアは石をめくればめくるほど新たな発見があるのに・・・
しかし倒れたらシャレにならない。

という事で泣く泣く帰る事にした。

帰りに東涌川で出会った美しい緑の鳥。
こっちでも人気の高いカワセミ (Common Kingfisher)だ。
デジスコがあればもっといい写真が撮れるんだがなぁ・・・

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■ カワセミ (Common Kingfisher) Alcedo atthis

慣れてきた香港の干潟。
一人でもいろんな事が分かってきて、どんどん楽しくなってきたっ!!!

できることなら毎日通いたいっ!!!


<撮影種一覧> 18種

<植物>
■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza
<貝類>
■ ヤエヤマヒルギシジミ (Mangrove Clam) Geloina erosa
■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.
<カブトガニ類>
<甲殻類>
■ ベンケイガニ科の1種 (Sesarmidae) Sesarmidae sp.
■ タカノケフサイソガニ (Brush-clawed Shore Crab) Hemigrapsus takanoi
■ マルミトラノオガニ (Heteropanope glabra) Heteropanope glabra
<魚類>
<鳥類>


by takuyamorihisa | 2016-09-12 21:00 | 香港

523 境港市 ~カニ網に挑戦~

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今日は境港市(Sakai Minato)に行ってきた。

釣りのひとつにカニ網というものがある。
これは網と餌を海底に投げ込み、餌の臭いにつられてやってきたカニががんじがらめに絡まって逃げられなくなるという仕掛け。
関東の方ではさかんのようだが、筆者の住む山陰や山陽地域では聞いたことがない。

ある日、このカニ網を境水道に投げたらタイワンガザミ (Flower Crab)をたくさんゲットできるのではないだろうかと思いついた。
夏に刺し網であれだけ漁獲されていたことを思うと、かなり期待できそうだ!!!

いても立ってもいられなくなり、早速カニ網を取り寄せて境水道へ向かった。
今日は風もなく穏やかな境水道。


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ドキドキしながらスーパーで買ったサンマ (Pacific Saury)の切り身を入れ、カニ網を投げた。
カニ網は待ちの釣り。
10分おきに上げてみようとルールを作って待つことにした。

早く上げたい!

今頃タイワンガザミ (Flower Crab)が大群で網に押し寄せているに違いない!

我慢できない!

10分待つと決めたのにもかかわらず、早速ルールを破って5分でリールを巻き始めた。
と思ったら根がかり・・・
道糸が切れたらどうしようと思ったが、なんとか回収することができた。
ブチブチブチと嫌な音がしたので網は1投げでボロボロになってしまっただろう。

まあいい。

その代わりに真っ青なタイワンガザミ (Flower Crab)がたっぷりとぶら下がっているのだから。

しかしその妄想とは裏腹に、水から上がってきたカニ網にはカキ殻が1つだけぶら下がっているだけであった。

その後も同じ結果が繰り返されるので、カニ網は諦めて手網でイシガニ (Shore Swimming Crab)狙いに切り替えることにした。

ライトで照らすと岸壁にいるイシガニ (Shore Swimming Crab)。
これをそっと手網ですくう。
適度な緊張感があり、これはこれで非常に面白い!


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■ イシガニ (Shore Swimming Crab) Charybdis japonica 甲幅5.3cm


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■ イシガニ (Shore Swimming Crab) Charybdis japonica 甲幅5.3cm


ライトで水の中を照らして遊んでいると色々な生き物を見ることができる。

サヨリ (Japanese Halfbeak)の幼魚はうようよ。
たまに間違えて手網で獲れることもある。


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■ サヨリ (Japanese Halfbeak) Hyporhamphus sajori 18.0cm


小川が流れ込む場所へ移動。
水中にもやがかかっているところをみると、小川は淡水でこのあたりは汽水になっているのだろう。

ライトで照らしても全く気付かないコショウダイ (Crescent Sweetlips)の幼魚を発見。
完全に寝ていたのだろう。

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■ コショウダイ (Crescent Sweetlips) Plectorhinchus cinctus


ミナミテナガエビ (Crane River Prawn)もいた。
手(鉗脚)が異様に長いのがオス。

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■ ミナミテナガエビ (Crane River Prawn) Macrobrachium formosense 体長6.3cm(鉗脚除く)
*記事の投稿当初はテナガエビとしていましたが、つじいようすけさんにみていただき、ミナミテナガエビに修正しました。(2017.11.26)


メスの手の長さは常識の範囲内。

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■ ミナミテナガエビ (Crane River Prawn) Macrobrachium formosense 体長5.3cm
*記事の投稿当初はテナガエビとしていましたが、つじいようすけさんにみていただき、ミナミテナガエビに修正しました。(2017.11.26)


抱卵したメス。

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■ ミナミテナガエビ (Crane River Prawn) Macrobrachium formosense 体長6.5cm
*記事の投稿当初はテナガエビとしていましたが、つじいようすけさんにみていただき、ミナミテナガエビに修正しました。(2017.11.26)


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■ ミナミテナガエビ (Crane River Prawn) Macrobrachium formosense 体長6.5cm
*記事の投稿当初はテナガエビとしていましたが、つじいようすけさんにみていただき、ミナミテナガエビに修正しました。(2017.11.26)


その他、ダイナンギンポ (Dainan Ginpo)やウロハゼ (Uro Haze)なども捕まえる事ができた。
これは楽しい!

そして30分前に投げて忘れかけていたカニ網を回収した。

おお!!!
最後の最後でイシガニ (Shore Swimming Crab)を1匹だけゲット!!!

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■ イシガニ (Shore Swimming Crab) Charybdis japonica 甲幅7.0cm


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■ イシガニ (Shore Swimming Crab) Charybdis japonica 甲幅7.0cm


底にカキ殻や石の多い境水道ではカニ網はほとんど役に立たないということが分かった。

しかしながら色々な生き物がいてとても楽しい夜だった。
海の恵みは次の日美味しくいただいた。

特にイシガニ (Shore Swimming Crab)の味噌汁は絶品!

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<撮影種一覧> 4種
<甲殻類>
■ ミナミテナガエビ (Crane River Prawn) Macrobrachium formosense
<魚類>
■ コショウダイ (Crescent Sweetlips) Plectorhinchus cinctus



by takuyamorihisa | 2016-08-12 23:59 | 鳥取県

522 曽根干潟 ~トビハゼを撮影~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

2日間の濃厚なカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵行動の撮影を終え、そろそろ島根の家へ向かわなければならない頃。
しかしこの種だけは帰る前に撮影しておきたい。
まるでカエルのような魚、トビハゼ (Shuttles Hoppfish)だ。

あたりを見回すとトビハゼ (Shuttles Hoppfish)がかなりたくさんいる。
しかも水の上で。
島根にはいないこの変わった生物を撮っておきたかった。

まずは石の上でゆっくりと日向ぼっこをしているトビハゼ (Shuttles Hoppfish)。
敵が来てもワンジャンプで水の中に逃げ込む事ができる。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus

トビハゼ (Shuttles Hoppfish)の胸鰭はまるで腕のようになっている。
身体をなでたりする仕草なんて、たまらなくかわいい。




■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus

せっかくなので標本写真も撮りたい・・・
すばしっこくて捕まえる事が非常に困難だが、手網で虫を捕まえるようにして捕獲に成功!
網を前に構えて歩き、ジャンプしたトビハゼ (Shuttles Hoppfish)を下からキャッチするという作戦。
結構難しいが、成功したときはかなりうれしい!

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm

かわいい顔をしている。
半陸上生活のためか、眼が上についている。


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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm


第1背鰭には暗色帯がみられない。
近似種ミナミトビハゼの第1背鰭には暗色帯がみられ、先端が尖るので、ここを見れば見分けは簡単だ。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm

腹鰭は吸盤状になっている。
また左右の鰭をつなぐ膜蓋があるのも特徴。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm


別の個体。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm

特殊な胸鰭。
鰭を支える柄のようなものがあり、その使い方も含めて、もはや腕!
このような魚類が水なしでも呼吸できる呼吸器官を発達させ、両生類になっていったのかなと想像が膨らむ。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 7.5cm


幼魚も成魚と同じくぴょんぴょんと飛ぶ。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 1.7cm

ちなみに極小サイズだ。

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■トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus 1.7cm


バケツの水にアクシデントで紛れ込んでしまった小さなエビ。

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よく見るとシラタエビ (Exopalaemon orientis)じゃないか!

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■ シラタエビ (Exopalaemon orientis) Exopalaemon orientis


最後の最後まで楽しめる撮影となった。
この旅行で出会った全ての方に感謝します。

来年も 必ず行くぞ 曽根干潟


<撮影種一覧> 2種



by takuyamorihisa | 2016-07-23 21:10 | 福岡県

521 曽根干潟 ~カブトガニ 翌朝の産卵行動~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

昨晩の奇跡のようなカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵行動から1夜明けた。
というか、ホテルに戻って7時間が経ったと言った方が正しいかもしれない。

せっかく遠征に来ているのだから時間を無駄にしたくない。
身体にムチを打って朝から干潟へと出かけた。
今度は親父も一緒だ。

砂浜は昨夜の光景が嘘だったかのように静か。
カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の姿はみられない。


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と思ったらいた!!!

カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)のつがいだ!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


メスが砂に沈み、産卵準備OKだ。もしかしたらすでに産卵行動を始めているかもしれない。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


しばらくするとメスが砂の上に浮かび、沖へと帰っていった。
水面からでるスムースな体表は、まるでクジラのよう。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


九州大学の調査チームの方々も調査に来られた。
ちょうど昨年今津干潟、曽根干潟へ行くことができたのもこの先生方のおかげ。
カブトガニ師匠。
ずっとお会いしたいと切望していたので大感激だ。
カブトガニにも会えたし、先生方にも会えたし!最高の旅行じゃないか~!

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それにしても昨晩のカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)乱舞から一変、今朝のこの状況は一体なんなのだろうか。
日中の産卵数は夜に比べ少なくなるとはいえ、ここまで少ないとは・・・

ここでやっと2つがい目を発見。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

3つがい目。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

4つがい目。
ブログでみると次々来ているような印象だが、忘れた頃にヌっと姿を現すといった印象。
これらの写真と写真の間隔は50分空いているものもある。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

地元の家族が一組やってきた。
子供がカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)をみてみたいというから連れてきてあげたのだという。
お父さん、お母さんも見たことがないらしい。

なかなかカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)がみつからなくて子供が飽き始めたころに5つがい目が登場。
よかったね~見ることができて!

それにしても地元の子供たちが1組。それだけ???
といった印象だった。
ホテルの人も知らなかったし、まずは地元の人達にこの素晴らしい干潟とカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の事を知ってもらいたいと切に願う。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

6つがい目!
と思いきや、メスの体色やオスに付着しているフジツボの様子から4つがい目のようだ。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

水が比較的綺麗な潮止堤の反対側に6つがい目!
写真は産卵を終え、帰っていくところ。
甲の中にまだたまっていた小さな気泡が出てきてリングを作っている。
気泡がカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の体内から排出されたものではないことが分かる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


死骸が並ぶ砂浜でしっかりと生きているカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の卵。
波に洗われて表に出てきてしまっていたが、発生が進み大きくなっている。恐らく以前に産卵されたものだろう。
たくさんの成体が死んでいる中、その子孫はしっかりと育っている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


朝の9時から3時間、今日観察できたつがいは6組であった。
恐らく夜もこれくらいが普通なのだろう。
毎日調査されている高橋先生がすごいとおっしゃっているくらいなので、いかに昨晩がすごかったかが分かる。

そんな1年に1度しかないような秘密をこっそり教えてくれてありがとうカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)!
気付けばすっかりファンになってしまった!!!


<撮影種一覧> 1種
<クモ・サソリ・カブトガニ類>



by takuyamorihisa | 2016-07-23 21:00 | 福岡県

520 曽根干潟 ~2016年7月22日 カブトガニ産卵行動の記録~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

ホテルで休憩をとり、いよいよこの旅の目的である産卵行動の撮影だ!
21時くらいからみられるのではと高橋先生のアドバイスをいただいていたので、21時には現地入りしようと思っていたが疲れすぎていて到着したのは21:30。時間が減った~!しまったぁ~!

街頭がないため、懐中電灯がないと何も見えない真っ暗な砂浜に降りていく。
誰もいないので一人きりだ。(親父も過労でダウン笑)

余りにも暗いのでちょっとドキドキしながら周りを照らしてみる。
いきなりカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の死骸が目の前に広がったので、うわっ!と後ずさりした。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まずは照明のチェックを兼ねて夜になると活動が活発になるカクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani)を撮影。
さすがスピードライト600EX-RTはパワフル。まるで昼間のような明るさだ。

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■ カクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani) Parasesarma pictum

トビハゼ (Shuttles Hoppfish)も満ち潮に乗ってどんどん沖からやってきた。
昼間よりもはるかに活性が高い。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus

準備運動は終わり!
さてここからが本番だ。
時間の経過とともにお伝えしたいので、ここからは時間付のレポート。

21:40

ドキドキしながら恐る恐る水面を覗いてみる・・・
いた~っ!!!
なんといきなりカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)のつがいを発見っ!!!
もう来ていたとは!来るのが遅すぎたかっ!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

おおっ!!!
こっちにもいた~っ!!!
今は満ち潮のためこの場所は水につかったばかり。
そのため砂浜にあったゴミが浮いている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

21:50

上とは別のつがい。
満潮時を狙って産卵にくるのは、少しでも水際から離れた場所の砂の中で卵を守りたい為。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

波がバシャバシャかぶるような場所でも気にせず産卵をする。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:00

産卵を開始しているつがいを発見!
産卵中は甲のヘリ2カ所から、細かい気泡が出てくる。この気泡はカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)が砂を掘り起こしたとき、砂の中に含まれていた細かな気泡が上がってきたもの。カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)が出す粘液と混ざっているため、水面に出ても中々消えない。
これが水の下で産卵行動を行っているカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)をみつける目安となる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:20

新しいつがいがやってきた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まずは産卵に適した場所を探すようにうろうろする。
そして気に入った場所がみつかると、そこでじっとする。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

メスは砂を掘って中に身体を埋めていく。
落ち着いたら先ほどの様に気泡が出始める。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:50


最初からいたつがいが産卵を開始したようだ。
気泡が出てきて、水面は泡でいっぱい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:10

高橋先生と合流。
気づけば水面は泡だらけに!!!
産卵行動がピーク!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


もしかしてすごいことになっているのではと真上から撮影。
すごいことになっていた。
この写真の範囲だけでも7つがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

感動と興奮でハイ状態に!このあたりくらいから訳が分かっていない。

1つがいが産卵を終え移動し始めた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

ゆっくりと真っ暗な海へ帰っていった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:20

先の密集ポイントとは別の水際で2つがいが産卵中。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

そのうち1つがいが産卵を終え、沖へと帰っていった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

その間に別の新しいつがいがやってきた。
産卵が終わって移動中なのかもしれない。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

水際のもう1つがい。
オスがもぞもぞし始めて、「もう帰ろうよ」とメスに合図する。
メスも帰る気になったらスッっと砂の上に顔を出して沖へと帰ってゆく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:30

先ほどの密集ポイントではつがいが次々帰り始めた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

と思ったら、新たにやってきたつがいが。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


こっちにもさっきはいなかったつがいが産卵を始めている!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

さらにまた別のつがいが来て、砂の中に入っていく。
ピークが終わったと思ったら、全然そんなことはなかった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:40

カブトガニを守る会福岡支部の方たち。
さすが毎日調査をされているので泡だけでどこにつがいがいるのかすぐに分かる!


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また産卵しているつがいが増えている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


と思えば帰っていくつがいも。
ということは入れ替わり立ち代わりでものすごい数のつがいが来ているのではないだろうか。
途中までは頭の中でカウントしていたが、もはや分からなくなってしまった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

23:50

沖に頭をむけ産卵するつがい。
通常は陸に頭を向けていることが多いので珍しい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

帰っていくつがい。
その下には産卵中の別の個体が見える。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


メスが砂のなかにすっぽり埋まっているつがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


波にあおられて雄の尾が水面から出ている。
あれ?
気付けばまたさっきより増えているのではないだろうか・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

帰っていくつがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


24:00

満潮。
潮位は下がり始めているような気がするが、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)は減るどころか増えているようだ。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


潮止堤を挟んで反対側の河口にもつがいたちの姿がみえる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

砂浜でもまだまだ産卵中のつがいは多い。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


24:10

産卵を終えて帰っていくつがい。
帰っていくつがいの方が目につく。
普通に考えると減っていくはずなのに、つがいの数が多くなっている気がする!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


こちらも産卵が終わったもよう。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

砂の中からメスが頭を出す様子。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

そして帰っていく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まだ産卵中のつがいたちも。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


ここで状況がどうなっているのか引いて撮影してみることにした。
やはりすごい状況になっていた!
写真の中だけでも6つがい!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


高橋先生が興奮気味に口を開いた。
「あんた本当に運がいいよ~!こりゃ今シーズン一番多い!こんなにたくさん見れることはまずないけん!つがいがたくさん来とっても風向きによっては水が濁って写真なんてとれん。日ごろの行いがええんやね!この日に来なさいって言ったのがバッチリだったなぁ。」

その言葉をいただかなかったら、いつでもこれくらい見れるもんだと勘違いしていただろう。
それほどすごい事だったんだ!
来てよかったなぁとじわじわ喜びがこみ上げてくる。


24:20

つがいが次々と帰り始める。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


やはり先ほどの6つがいショットの瞬間がピークだったようで、あっという間につがいの数がみえなくなっていった。
まだ数つがいが残っているようだが、今日はこの辺でお開き。

水面には産卵の際に出た泡がたくさん残っていた。
命の営みの強烈なパワーを肌で感じた。

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曽根干潟、ここは本当に素晴らしい場所だ。
しかしカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)繁殖地としては危機的な状況にある。

写真でも分かるとおり、彼らは綺麗な砂の上に卵を産むが、この広大は干潟の中で砂が残っているのはほんのわずかしかない。
逆に産卵できる場所が少なすぎるから、今回の観察のようにカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵が密集してしまうのだ。
密集して産卵すると、一度産卵した場所を別のつがいが掘り起こしてしまうかもしれない。
密集して産卵するのと散らばって産卵するのとでは、彼らの場合散らばって産卵するほうが効率はよいだろう。

あなたたち人間は5年間ここを守る事が出来ますか?
という質問に対してはYESといえるかもしれないが、100年間ここを守る事が出来ますか?
と聞かれるとどうだろう。

土地の少ない日本で、干潟は埋立地としての恰好のターゲット。
しかも一度埋め立ててしまうと二度と戻ってこない希少な場所。

この場所を守っていきたいと思う人間を増やして次の世代に伝えていくためにも、まずはその素晴らしさを皆に知ってもらうという活動が重要なのではないかと思う。


<撮影種一覧> 3種
<クモ・サソリ・カブトガニ類>
<甲殻類>
<魚類>



by takuyamorihisa | 2016-07-22 23:59 | 福岡県

519 曽根干潟 ~カニを襲うカニ~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

ホテルへチェックインしたが、やっぱり干潟探索はしておきたい!
という訳でひとり干潟へとやってきた。

野鳥撮影用に購入したデジスコ、これが小さな生き物の撮影にも使えるかどうかのテストもしてみたい。
忙しい事を言い訳に、ここ1年くらいデジスコを使っていない。全く自分が情けなくなる。
まずは使い方になれておかねばと、近くの野池にいたミシシッピアカミミガメ (Red-eared Slider)を撮影した。

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■ ミシシッピアカミミガメ (Red-eared Slider) Trachemys scripta elegans

ちょっと手こずったがOK!準備完了!!!
わくわくしながら干潟に降りる。

ここでも待っていたのがカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の死骸。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


次から次へと打ち上げられてきているようだ。まだまだその数は増えていきそう・・・

普通はすぐに穴の中に逃げ込むスナガニ (Stimpson's Ghost Crab)が思考停止に陥ったのか穴の前でじっとしていた。
わずか10cmの距離で撮影。

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■ スナガニ (Stimpson's Ghost Crab) Ocypode stimpsoni

縞模様がオシャレなヘナタリ (Henatari)。

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■ ヘナタリ (Henatari) Cerithidea cingulata


こちらは未同定。

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■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.


まだ綺麗な標本写真を撮影できていないアシハラガニ (Ashiharagani)を発見!

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■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens

ここにはアシハラガニ (Ashiharagani)がかなりの数生息している。
去年ハチの干潟でアシハラガニ (Ashiharagani)を狙ったのに空振りに終わったが、やっと捕獲する事ができた!よ~し!
全体的にツルっとした印象で、オレンジがかった体色が美しい。

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■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens 甲幅3.3cm


アシハラガニ (Ashiharagani)の顔。
色味がたまらなくかっこいい。

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■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens 甲幅3.3cm

これだけで来た甲斐があったというもの。

そして今度は不審な動きをしているアシハラガニ (Ashiharagani)を発見!
なんとヤマトオサガニ (Yamato Osagani)を襲っているではないか!

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■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens
■ ヤマトオサガニ (Yamato Osagani) Macrophthalmus japonicus


ヤマトオサガニ (Yamato Osagani)はまだ生きていて必死に抵抗しているが身体の大きさが全く違うので勝負にならない。
ここでデジスコが登場!
おお!小さいカニでも問題なく撮影できている!!!
恐らくアシハラガニ (Ashiharagani)がカニを襲っている写真はほとんどないのではないだろうか!

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■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens
■ ヤマトオサガニ (Yamato Osagani) Macrophthalmus japonicus



■ アシハラガニ (Ashiharagani) Helicana tridens
■ ヤマトオサガニ (Yamato Osagani) Macrophthalmus japonicus

他のカニを捕食することもあるというのは知っていたが、まさか実際にみられるとは!

泥の上を歩いているトビハゼ (Shuttles Hoppfish)。
水辺から3mくらいは離れている場所でも普通にみられる。
これが魚類なんて!

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus


この場所(先ほどの場所とは別の場所)で最も個体数の多いカニであろうハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki)。
オスがさかんに大鉗脚をふっている。
この姿が潮を招いているようであるため、潮招きと呼ばれる。実際干潮時に現れてハサミを振り、その後潮が満ちだすので潮を招いているのは事実だ。
大鉗脚を振る仕草はウェービングと呼ばれ、主にオスがメスにアピールするときにとる行動だ。メスがそのオスを気に入ればオスの巣穴に入っていくという。

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■ ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki) Uca lactea


ここでデジスコが再び登場。
泥で三脚が汚れないようにスーパーの袋で完全武装。

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ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki)のデジスコ撮影をしてみた。

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■ ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki) Uca lactea


さすがデジスコ、ボケがすごい!その分ピントがめちゃくちゃシビアだ。
かねてから狙っていたウェービングの動画撮影にも成功!



■ ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki) Uca lactea


ヒメアシハラガニ (Hime Ashiharagani)も撮影することができた。

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■ ヒメアシハラガニ (Hime Ashiharagani) Helicana japonica


底質を口に入れて有機物を濾しとって食べている。
デトリタス食というやつだ。




■ ヒメアシハラガニ (Hime Ashiharagani) Helicana japonica


アシハラガニ (Ashiharagani)と同じく、ずっと探し求めていたカクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani)の標本写真の撮影にも成功っ!!!

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■ カクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani) Parasesarma pictum 甲幅1.8cm


今日はすでに大収穫だ~!!!

夜の撮影本番を前に早くもバテてしまった・・・

ちょっとだけホテルで休憩しよ・・・


<撮影種一覧> 11種
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■ ヘナタリ (Henatari) Cerithidea cingulata
■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.
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by takuyamorihisa | 2016-07-22 21:10 | 福岡県

518 曽根干潟 ~カブトガニの死骸たち~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

ちょうど一年前、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵をみたくて福岡県に撮影旅行に行った。
しかし初めて訪れる場所のどこでカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)がみられるかは素人には到底分かるはずもなく悲しくも空振りに終わっていた。

そして1年後、またカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵の季節が訪れた。今回は離れて暮らす父親を誘い、親子旅行を兼ねて曽根干潟へ撮影旅行だ!

広島県の三次市で合流し、福岡を目指す。
関門海峡は相変わらず潮の流れがめちゃくちゃ早い。

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家を出て5時間、やっと曽根干潟へ到着した。
現地では再び昨年お世話になったカブトガニを守る会の高橋先生に産卵場所を案内していただいた。
カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)は砂底に産卵するため、干潟の中でも砂地の場所で待つことが大切。


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今シーズン、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵は順調の行われているようで、砂の上を観察していると早速卵の固まりを確認。こんなに簡単に卵がみつかるとは、やはりすごいところだ曽根干潟。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵場を守っていくため、砂の不法採取を禁止する看板。
4億年も前から地球に存在しているカブトガニだが、底質の粒度が少し違うだけで産卵が上手くいかなくなるという、繊細な面も持っている。

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今日の満潮は夜の12時。
カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵は満潮時にみられるので、それまではしばしの休憩だ。

しかしその前になんとも悲しくなるような写真を撮影しなければならない。
今シーズン、曽根干潟ではカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の成体の大量死がみられている。
高橋先生をはじめとする保護活動のメンバーの方々がその死骸を並べていた。

「300匹死んだっちゅうても、言葉だけじゃイメージがわかんやろ。こうやって300匹の死体を実際にみると、うわぁと衝撃を受ける。何とかせなと思ってくれる人が少しでも増えてくれれば、こうやって臭い思いして並べとる甲斐がある。メディアも取材しにくるかもしれん。」

高橋先生の思いが強く伝わる衝撃的な景色。
約300匹の成体の死骸たち。
悪臭がひどく、肺の中まで腐乱臭で満たされている気分。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)が成体になるためには10年以上もかかる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


この大量死は海水温の上昇が原因なのか、海底の貧酸素が原因なのか、化学物質による公害なのか、それとも生息数が多い世代の寿命と重なったのか全く分かっていない。
この希少な種を保護するためにも原因を調査することが早急に求められる。

暗い気持ちになったが、気を撮り直し曽根干潟の生き物たちを写真撮影。

まずはハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki)のメス。
のんきに餌を食べている姿がかわいらしい。


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■ ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki) Uca lactea


続いてハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki)のメスの似たチゴガニ (Chigogani)。
ハクセンシオマネキ (Hakusen Shiomaneki)のメスよりも鉗脚が大きいのと、オスはウェービングといって両方の鉗脚を上に振ってバンザイをするような仕草をするので見分けることができる。
甲の側面が空色をしているのも特徴だ。

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■ チゴガニ (Chigogani) Ilyoplax pusilla


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■ チゴガニ (Chigogani) Ilyoplax pusilla


最も多くみられたのがヤマトオサガニ (Yamato Osagani)。
上の2種よりもより泥の場所を好む。

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■ ヤマトオサガニ (Yamato Osagani) Macrophthalmus japonicus


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■ ヤマトオサガニ (Yamato Osagani) Macrophthalmus japonicus

やっぱり干潟はワクワクするなぁ。

それでは産卵行動の撮影の前にホテルへチェックイン。
でもせっかく来ているのだから休憩せずにまずは干潟の生物の写真をゆっくり撮ろうかなぁ。


<撮影種一覧> 4種
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<甲殻類>



by takuyamorihisa | 2016-07-22 21:00 | 福岡県

517 宮崎県産 ~初めてのトラガニ~

今日は家で写真を撮った。

最近、甲殻類を取り寄せて標本写真を撮る事がマイブームだ。
7月10日のアブラガニ (Blue King Crab)に7月14日のハナサキガニ (Hanasaki Gani)。
そして今日7月15日はトラガニというカニに挑戦だ。

トラガニはワタリガニ科のカニで、標準和名をシマイシガニという。
香港や中国南部では最も珍重されているカニのひとつで、だいたい海鮮レストランのメニューにもったいぶって掲載されているようなカニだ。
もちろん高い。

日本では漁獲量が少なく、ほとんどの日本人は食べたことがないのではないだろうか。
今日はたまたま宮崎県の水産業者からトラガニを取り寄せる事ができた。

そんな幻のトラガニの姿がこちら。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm


このカニの甲には十字架模様が浮かび上がるのが特徴。
図鑑などではキリスト教徒は食べないと書いてある事が多い。
実際にインドのゴア周辺では、本種に似た十字架模様を持つカニのことを宣教師フランシスコ・ザビエルから祝福を受けたカニの子孫であると信じているらしい。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm

シマイシガニの顔。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm
腹面は本当に真っ白だ。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm

もう1匹は600g。
上の個体よりやや若いためか白っぽい。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅14.0cm

700gと聞いてもピンとこないが、手と比較するとその大きさがよく分かる。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm

加熱すると真っ赤になる。
中国で紅蟹とよばれているのはそのためだろう。

さっそく実食!シンプルに塩茹ででいただいたが、ワタリガニ科特有の美味さに満ち溢れている。身がプリプリだ!
殻は薄いので食べやすい。

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■ シマイシガニ (Crucifix Crab) Charybdis feriata 甲幅16.0cm

そして嬉しいおまけ。
水産業者の人が気を利かせてくれてオオバウチワエビ (Smooth Fan Lobster)をつけてくれていた。

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■ オオバウチワエビ (Smooth Fan Lobster) Ibacus novemdentatus

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■ オオバウチワエビ (Smooth Fan Lobster) Ibacus novemdentatus

なんとも変わった形のエビだが、エビからカニへ進化する途中の形と考えれば納得がいく。
クルマエビ (Japanese Tiger Prawn)等の卵を水中に放出するタイプのエビから、テナガエビ (Oriental River Prawn)のように卵を腹肢の間で保護するタイプのエビに進化し、その後イセエビ (Japanese Spiny Lobster)のように完全に底生生活に適応し硬い殻を持つタイプに進化、その後本種のように腹部が短くなっていき、それを折りたたんでカニになっていった。
それぞれのステージの種が今でも残っているのがとても面白い。

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■ オオバウチワエビ (Smooth Fan Lobster) Ibacus novemdentatus

横からみるとあまりにも扁平で食べるところがなさそうだが、半分に割ってみると見た目以上に身がつまっていた。
味の方は・・・

プリプリとしてクセがほとんどなく、最高の味だった!
いくらでも食べられそうだ。


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■ オオバウチワエビ (Smooth Fan Lobster) Ibacus novemdentatus

次は何を取り寄せようかなぁ・・・


<撮影種一覧> 2種
<甲殻類>


by takuyamorihisa | 2016-07-15 21:10 | 取り寄せ・市場購入

515 ロシア産 ~ハナサキガニに挑戦~

今日は家で写真を撮った。

先日ついに撮影することができたアブラガニ。その次に撮ろうと決めていたのが同じタラバガニ属のハナサキガニ (Hanasaki Gani)。
このカニは根室を代表するカニで、一度鉄砲汁をいただいた事がある。

図鑑で見る限りかっこいいカニだなぁと思っていたが、届いてびっくり。
テリが強く、棘だらけで想像以上にかっこいい!!!

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

このテリと棘!このままゲームの敵で出てきてもおかしくない、悪くて強そうなルックスだ。

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

カニと名がつくが、ヤドカリの仲間。
眼をみるとつぶらな瞳がふたつ並んでついている。
多くのカニ類は目が離れている。

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

大きなハサミ。
これで挟まれたら大けがをしそうだ。

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

初めて見るハナサキガニを堪能し、あとは食べるだけ。

蒸し器に入れて15分蒸してみた。
あの赤褐色の体色が見事な赤色に変身!

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

赤い色が食欲を刺激する。

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■ ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes 1.2kg

以前鉄砲汁をいただいたときにも感じたが、このカニには独特の風味がある。
慣れていないとちょっと違和感を感じるかもしれないが、例えるならワタリガニ系の風味だ。

自分はこの風味に慣れているので全く気にならなかった。

気になるお味は・・・

アブラガニ (Blue King Crab)を食べたばかりなので、比べるとどうしても劣る。
味はかなり濃い。旨みというより塩分が強く、身にプリプリ感がない。
美味しいのは美味しいが、脚を1本食べるともう満足かなという感じ。

鉄砲汁と呼ばれる汁にして食べられている事にも納得だ。
各地の海の幸をこうやって島根にいながら食べられるのはとってもありがたいこと!

次はトラガニと呼ばれているシマイシガニに挑戦予定!!!


<撮影種一覧> 1種
<甲殻類>
ハナサキガニ (Hanasaki Gani) Paralithodes brevipes

by takuyamorihisa | 2016-07-14 21:00 | 取り寄せ・市場購入