今日は
Thunderbird School(サンダーバードスクール)に行ってきた。
アメリカはアリゾナ州にあるグレンデールという街まで来た。
親友がこの街にあるThunderbird Schoolという学校へ通っているので、久しぶりに会おうと4月15日~18日の4日間の日程で遊びに来たのだ。
10時間半の移動時間の末、フェニックス空港へ到着した。
トロントとフェニックスの時差は3時間もあり、こちらの時間で午前1時半に家を出発したことになる。
眠い。
おまけに気温は33℃。
暑い。
トロントはまだ肌寒く、飛行機対策もあってズボンの下にタイツを履いていたため暑くてたまらない。
なにより周りの人はショートパンツとTシャツなのに、自分だけ黒のジーパン、長袖Tシャツで格好からして暑苦しい。
迎えに来てくれた友人の車に乗り、まずはグレンデールにある家へと向かった。
初めてのアリゾナ。
とにかく日差しがすごい。
サングラスがないと目をやられそうだ。
友人宅へ着き、服装をアリゾナ仕様にチェンジした。
あいにく彼は授業があるらしく、すぐに家を出るとのこと。
普通なら彼が戻るまで家で休むのだろうが、ネイチャーフォトグラファーの辞書に「することがない。」の7文字は存在しない。
友人と一緒に学校へ行き、自分はその辺の生き物を撮影することにした。
さてどんな生き物がいるのだろうか。
楽しみだ。
まずは学校の門。

なんだこの巨大なサボテンは!
校内いたるところにサボテンが植えてある。
写真だけだと荒野の真ん中に建てられた学校のようだ。

調べるとSaguaro (ベンケイチュウ) という名前のサボテンだった。
世界最大のサボテンらしい。
■ Saguaro (ベンケイチュウ) Carnegiea gigantea
■ Saguaro (ベンケイチュウ) Carnegiea gigantea
このSaguaro (ベンケイチュウ)のほとんどは幹に穴が開いてしまっていて、鳥の巣になっているようだ。
目の前にあるサボテンの穴に何かが入っていった。
慌てて写真を撮る。
■ European Starling (ホシムクドリ) Sturnus vulgaris
なんとトロントでもおなじみ、European Starling (ホシムクドリ)だった。
元々アメリカ大陸にいなかったこのEuropean Starling (ホシムクドリ)だが、1890年代にヨーロッパから持ち込まれた100羽がNYのセントラルパークで放鳥され、それが増えて北米中に広がってしまったらしい。
脅威的な適応能力だ。
■ European Starling (ホシムクドリ) Sturnus vulgaris
大きなGrackleだと思ったら、初めて見る種のGreat-tailed Grackle (オナガクロムクドリモドキ)。
■ Great-tailed Grackle (オナガクロムクドリモドキ) Quiscalus mexicanus
同じく初めて見たCactus Wren (サボテンミソサザイ)。
サボテンに巣を作るのでこの名前があるらしい。
■ Cactus Wren (サボテンミソサザイ) Campylorhynchus brunneicapillus
House Finch (メキシコマシコ)の雄。
初めてだと思ったが、よく考えたら雌をトロントで見たことがあった。
■ House Finch (メキシコマシコ) Haemorhous mexicanus
こちらがその雌。
■ House Finch (メキシコマシコ) Haemorhous mexicanus
トロントで見かけることは滅多にないのだが、こちらでは普通種のようだ。
そこら中でこの鳥が鳴いている。
かわいらしい小鳥Verdin (アメリカツリスガラ)。
花を食べていた。
これも初めて見る種。
■ Verdin (アメリカツリスガラ) Auriparus flaviceps
花にとまっていたジガバチの仲間を撮影。
黄色くなっているのは花粉がついたからだろうか?
きれいなハチだ。
■ Podalonia属の1種 (Thread-waisted Wasp) Podalonia sp.
イネ科の雑草。

太陽光線が本当に強い。
元気になる分、体力の消耗も激しい。
学校に隣接する空き地。
広い・・・

この空き地で1羽の鳥が座っているのが見えた。
遠すぎて肉眼では見えない。
写真に撮って拡大してみると、Killdeer (フタオビチドリ)のようだった。
■ Killdeer (フタオビチドリ) Charadrius vociferus
写真を撮るため近づいてみる。
するとすくっと立ち上がり、おなじみちどり足で走り始めた。
かなり速いので一向に距離が縮まらない。
■ Killdeer (フタオビチドリ) Charadrius vociferus
と思ったら急にうずくまり、変なポーズをとっている。
あれ?
傷ついているのだろうか。
■ Killdeer (フタオビチドリ) Charadrius vociferus
このような行動がしばらく続き、気がつくと空き地の真ん中まで歩いてきてしまった。
そしてKilldeer (フタオビチドリ)は何事もなかったようにどこかへ飛んでいった。
■ Killdeer (フタオビチドリ) Charadrius vociferus
これは卵を守る行動に違いない。
まんまとKilldeer (フタオビチドリ)の作戦にひっかかり、おびき出されてしまったようだ。
ということは最初にいた辺りに巣があるかもしれない。
何もない広場なので最初の場所を見つけるのは困難だが、それでも探してみることにした。
あった。
巣と卵。
他の鳥の巣と違ってかなりお粗末な巣だ。
これが逆にカモフラージュになっている。
■ Killdeer (フタオビチドリ) Charadrius vociferus
しかし自分のせいで巣を放棄してしまったらどうしよう。
申し訳ない気持ちになっていたが、30分後に同じ場所を通るとちゃんと卵を温めていた。
よかった。
まだまだ学校には色々な鳥がいる。
こちらも移入種のHouse Sparrow (イエスズメ)。
■ House Sparrow (イエスズメ) Passer domesticus
トロントでは珍しいほうのMourning Dove (ナゲキバト)。
ここではありふれた鳥だ。
■ Mourning Dove (ナゲキバト) Zenaida macroura
サボテンに営巣したMourning Dove (ナゲキバト)。
■ Mourning Dove (ナゲキバト) Zenaida macroura
Mourning Dove (ナゲキバト)にしてはちょっと大きいと思ったら、違う種類のWhite-winged Dove (ハジロバト)。
■ White-winged Dove (ハジロバト) Zenaida asiatica
うろこのような模様の小さいハト、Inca Dove (インカバト)もいた。
ハトの種類だけでも3種!
■ Inca Dove (インカバト) Scardafella inca
茂みで何の仲間か見当もつかない鳥を見つけた。
なんだこの変な鳥は!
■ Gambel's Quail (ズアカカンムリウズラ) Callipepla gambelii
Gambel's Quail (ズアカカンムリウズラ)というらしい。
和名がすごい。
しかしすぐに逃げられてしまい、このあとこの鳥を見ることはなかった。
悔しい。
帰るまでにちゃんと写真を撮影しておきたいところだ。
初撮影種のCurve-billed Thrasher (マルハシツグミモドキ)。
Northern Mockingbird (マネシツグミ)だとばかり思っていたが、後で写真をみて違う種だと分かった。
■ Curve-billed Thrasher (マルハシツグミモドキ) Toxostoma curvirostre
撮影を始めてからたったの2時間でこの成果。
15種中、初撮影種がなんと9種!
さすが環境がトロントと大きく違うだけある。
最後は大好きなパームツリーを撮影した。
これを見るとCaliforniaを思い出す。

アリゾナの第一印象は「元気になれる場所」だった。
今回の旅は遊びがメインだが、時間があればまた撮影に出たいと思う。
どんな出会いがあるか楽しみだ。
<撮影種一覧> 15種
<植物>
■ Saguaro (ベンケイチュウ)
Carnegiea gigantea
<昆虫類>
■ Podalonia属の1種 (Thread-waisted Wasp)
Podalonia sp.
<分類>
■
Gambel's Quail (ズアカカンムリウズラ) Callipepla gambelii
■ Killdeer (フタオビチドリ)
Charadrius vociferus
■ White-winged Dove (ハジロバト)
Zenaida asiatica
■ Mourning Dove (ナゲキバト)
Zenaida macroura
■ Inca Dove (インカバト)
Scardafella inca
■ Cactus Wren (サボテンミソサザイ)
Campylorhynchus brunneicapillus
■ Northern Mockingbird (マネシツグミ)
Mimus polyglottos
■ Curve-billed Thrasher (マルハシツグミモドキ)
Toxostoma curvirostre
■ Verdin (アメリカツリスガラ)
Auriparus flaviceps
■
European Starling (ホシムクドリ) Sturnus vulgaris
■ Great-tailed Grackle (オナガクロムクドリモドキ)
Quiscalus mexicanus
■
House Finch (メキシコマシコ) Haemorhous mexicanus
■
House Sparrow (イエスズメ) Passer domesticus