今日は家で写真を撮った。
今日は静岡県浜名湖名産の「どうまん蟹」を取り寄せてみた。
この蟹はノコギリガザミというワタリガニ科の1種。産地以外ではほとんど出回らない幻のカニだ。
ノコギリガザミにはアミメノコギリガザミ (Giant Mud Crab)、トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab)、アカテノコギリガザミ (Orange Mud Crab)の3種がいるのだが、これらはかつて1種とされていたほどよく似ている。
それはもちろん素人にとって見分けるのは至難の業。
ノコギリガザミ類は静岡県浜名湖(どうまん蟹)、高知県(えがに)、沖縄県などで漁獲されるが、上記の様に見分けが困難なこともあって、「どうまん蟹。正しくはノコギリガザミといいます。」等、どのノコギリガザミであるかの説明がない場合が多い。
非常に希少なカニだが、インターネットの恩恵で島根県でも活きたノコギリガザミを食べる事のできる時代。本当に感謝だ!
送料を入れてだが1パイ8,000円のどうまん蟹がこちら。
強力なハサミ(鉗脚)を持つので、料理する人が怪我をしないよう紐で縛ってある。
これは無駄な動きを封じてエネルギーを消耗させない効果もある。
まだ活きているので紐を外すのが怖くて仕方がなかったが、標本写真を撮影するためにはしょうがない。
氷水につけて弱らせてから撮影した。
残念なことに左の遊泳脚がない!
しまった、写真撮影用なので足が揃ったものでと頼むのを忘れていた・・・
気になる種類の方だが、これはトゲノコギリガザミ (Green Mud Crab)になる。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
腹面。
通称ふんどしと呼ばれる尾部は細長いのでオスだ。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
遊泳脚に網目模様がある。
トゲノコギリガザミ3種の中で、遊泳脚に網目模様があるのはアミメノコギリガザミ とトゲノコギリガザミの2種。アカテノコギリガザミ の遊泳脚には網目模様が入らない。
また、第1・第2歩脚にも網目模様が入ればアミメノコギリガザミで、入らなければトゲノコギリガザミになる。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
額のアップ。
Wikipediaによると、眼と眼の間にある4つの歯はトゲノコギリガザミでは正三角形に近い形をしているとある。
ちなみにアミメノコギリガザミでは尖っていて二等辺三角形、アカテノコギリガザミでは低い三角形か円形になっているようだが、これは見慣れていない人にとっては難しい差かもしれない。少なくとも自分にとっては難しい。歩脚の網目模様で判断するのがよさそうだ。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
恐ろしく大きなハサミ(鉗脚)。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
内側は光沢があって美しい。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
この蟹のハサミ、挟まれると指が飛ぶくらい強力と言われている。
どのくらいすごいのか試してみた。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
ちょっと分かりづらいが、ボールペンの柄がぐにゃっとつぶされてしまった。
見ため的には大したことなさそうだが、一度同じタイプのボールペンを潰してみてほしい。
ペンチを使ってもここまで潰すことはできないだろう。
さんざん引っ張ってきたが、いよいよその味を確かめる。
蟹の料理法で一番失敗がないと思っている、蒸しで勝負だ!
熱を通すと、とても美しい赤色に変わった。
湯気があがる蒸し器からはワタリガニ特有のあま〜い香りがしてくる。
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
■ トゲノコギリガザミ (Green Mud Crab) Scylla paramamosain 甲幅14.0cm 651g
熱っ熱っ!
と言いながら殻を割り、中の肉を食べる。
あま~いっ!!!
今まで食べたカニの中で一番美味しいかもしれない!
もちろんズワイガニ (Snow Crab)ほど旨みが強くはなく、あっさりしているのだが、この甘さが癖になる!
あっさりしているので何ハイでも食べられる自信がある!
これは標本写真の撮り直しと称して、もう一度取り寄せる価値は十分にあるなぁ~!!!
<撮影種一覧> 1種<甲殻類>