611 曽根干潟 ~カブトガニの産卵と夏の自由研究~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

昨晩は夜遅くまでカブトガニ産卵の撮影をしたので朝起きるのが辛い。
がしかし、そうも言っていられない。

そのほとんどが夜の満潮時に産卵をするカブトガニだが、朝の満潮にやってくるものもいるのだ。

昨年は自分が観察していた浜の反対側が当たりで、透明度が高く最高の条件だったらしい。
今年は水中の様子を撮影できないかと、今回デジカメと水中ハウジングも持参してきている。

Google Mapを片手に航空写真とGPSから砂浜を歩いて探す。
こんなことが出来るなんて、15年前には夢のような話だった。今の世の中本当にすごい。
iPhoneに映し出される航空写真と全く同じの砂浜が姿を現したので、浜辺まで下りてみた。

いい感じの砂浜だが、明るすぎる。
こんなところへカブトガニが来るのだろうか???

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・・・

いない。

いる気配がない。

釣りでもなんでも、そう思うと負けで、急に勘が鈍くなってしまうもの。
産卵泡かなぁと思って近づくと、波が作った泡だったり・・・

やはり、初めて来る場所でカブトガニに出会おうとしても難しいんだろうなぁ・・・

と思っていると、海底に見える大きなシルエットがこちらへ向かってやってくる。

いた~っ!!!

「いないと思ったら負け」のジンクスをついにやぶったぜ~!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


立派なペアだ。産卵する場所を求めて移動している。
動きが遅いイメージのカブトガニだが、移動しているときの速さは結構速い。
例えるなら人間がゆ~っくり歩くときくらいの速さ。(遅いか・・・)

しばらく見ていると、ピタッと止まって前にいるメスの頭が砂に潜り始めた。
産卵を始めたようだ。

メスとオスの間くらいから盛んに泡が出始めた。
これは産卵泡と言って、産卵しているときの目印となる。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


よし。
産卵を始めた状態であれば、多少近づいてもカブトガニに悪い影響を与えない。
今回のメイン、水中写真を撮るぞ~!

水の上から見た状態だと透明度が高そうなのだが、水の中はとても濁っている。
全然写真が撮れないっ!!!

やっと撮影できたのはアップすぎてなんだかよく分からない写真になってしまった・・・

メスの様子。
砂に潜っている事が分かる。
特に水の中で撮らなくても、水の上からでも観察できる光景なのだが・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


オスの様子。
オスの前体前縁はきゅっとくびれていて、メスに抱きついてもしっくり収まるようになっている。
これも特に水の中で撮らずとも分かる特徴・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


カブトガニの産卵は、一度その場で始めると20分くらいはじっとしている。
このペアの写真は撮らせてもらったので、別の場所にいるカブトガニを探す事にした。

歩きながら水辺をのぞき込む。
カブトガニはみつからない。
真夏の九州、炎天下、かなりしんどい・・・

すると向こうから子供達とお母さんおばあさんのファミリーが同じ様な行動をしているのが目に入った。
なんとこのファミリーもカブトガニを探しているとの事。

これは嬉しいっ!
曽根干潟のすぐ近くにあるホテルの人たちに話しても、「そんなものがいるんですか~?」と悲しい答えが返ってくるくらい、カブトガニは地元の人ですら無関心なマイナーな生き物だというのに、家族総出で、しかもこの炎天下に観察に来ているとは~!!!

まだいてくれ~と願いながら先ほどみつけたカブトガニのところへ案内する。

いたぁ~!


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


子供達の嬉しそうな顔がたまらない。
夏休みの自由研究でカブトガニを調べているそうだ。偉い!おじさん嬉しい!

水中写真の失敗もどこかに飛んで行ってしまう程、ルンルン気分で自宅へと向かった。


<撮影種一覧> 1種
<カブトガニ類>




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by takuyamorihisa | 2017-07-27 21:00 | 福岡県 | Comments(0)

610 曽根干潟 ~カブトガニの産卵~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

曽根干潟へ到着し、早速チゴガニ (Ilyoplax pusilla)たちの撮影。標本写真を撮影し、夕食をとり終えたころにはすっかりと満潮の時刻となっていた。

そう、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵は夏の大潮前後の夜、満潮時に最も活発になるのだ。
大潮の満潮時は最も水位が高くなるとき。
この時に岸までくると、水辺から最も遠い場所に産卵することが可能となる。
水辺から離れた砂の中は水中よりも遥かに安全で、安定した温度が卵の発生を助けてくれる。

車を停め機材を用意し、浜辺へ降りていく。

街灯もなく、ひっそりとした雰囲気が集中力を高めて、生命感にあふれている海の力を感じさせてくれる。
ような気がする。

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懐中電灯を片手に波打ち際を注意深く観察する。
いたっ!!!

カブトガニのオスだ!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


と思ったら何かおかしい。
これは死骸だ!

昨年は数々のメディアに取り上げられるほどの大量死がみられた曽根干潟だが、昨年ほどではないにしろ多くの死骸が打ち上げられている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


砂浜から少し離れて捨て石の場所へいくと、生命感の塊のような光景に出会う事が出来た。
トビハゼ (Shuttles Hoppfish)の大群だ。
潮が満ちてくるのと一緒に波打ち際までやってきてくつろいでいる。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus


それにしても去年ならこの時刻ですでに数組のつがいがいたのだが、今年は少ないのだろうか・・・

と思っていたら・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


来たっ!!!
カブトガニのペアだ!

前の大きい個体がメスで、オスは後ろ側にくっついている方。

ちょうど波打ち際で産卵を始めた。
なぜ産卵をしているのかどうかが分かるのかというと、メスが体を砂の中にうずめているから。
移動中は体全体が砂の上に出た状態。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


とても神秘的な光景だ・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

産卵は1箇所のみならず、数か所で行われることも多い。
産卵が終わるとメスは砂の中にうずまっていた体を出し、沖へと帰っていくか、次の場所へと移動してまた産卵する。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


産卵直後の砂浜。
きれいに埋め戻されているが、少しだけ周りと様子が異なる。


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いい場所を求めて移動中の別のペア。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


ここで日本カブトガニを守る会の高橋先生がいらっしゃった。
今年も来る時期についてのアドバイスをいただき、とてもお世話になっている。

高橋先生と(去年よりは多少進歩した?)会話をしていると、夕方に出会った広島大学の学生さん達、そしてこの地で長年カブトガニの調査をされている林先生も合流し、みなで感動を共有しながら観察をした。

こちらのペアはオスにたくさんのフジツボが。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


産卵を終えて帰っていく。
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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

また別のペア。
メスとオスの色味が違うペアだ。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

産卵を終えて帰っていく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

移動中のペア。
4億年前のデザインからほとんど変わっていないだけあって、その姿にとても惹かれるものがある。
パッとみたときにどの生き物とも似ていないからかな・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まだまだカブトガニたちは産卵を続けているのだが、明日は朝の撮影もしたいし、何より島根県まで帰るための体力も温存しておかないといけない。
という訳で、なごり惜しくも最後の1枚を撮影してホテルへ戻った。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


この光景だけは毎年撮影していきたいなぁ。
いつまでも彼らがこの浜で生命をつなげる事ができますように・・・


<撮影種一覧> 2種
<カブトガニ類>
<魚類>


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by takuyamorihisa | 2017-07-26 21:10 | 福岡県 | Comments(0)

609 曽根干潟 ~チゴガニのウェービング~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

島根県松江市から北九州市の曽根干潟までは車で約5時間かかる。風邪をひいて割れるような頭痛の中、なんとか身体にムチを打って曽根干潟へやってきた。
狙うはカブトガニの産卵行動!

現在、日本のカブトガニの生息状況は危機に瀕しており、その姿を見る事が出来る場所はごくわずかしか残っていない。

曽根干潟へ来るのは今年で3回目。昨年は運よくカブトガニの産卵を撮影することができたが、今年は撮影できるだろうか???

夕方、ホテルへチェックインする前に干潟へと向かった。
満潮は午後11時半なので、今は干潮の状態。

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干潮時のターゲットはチゴガニ (Ilyoplax pusilla)。実はまだあまりいい写真を撮れたことがない。
確か去年はこのあたりにいたと思うけど・・・


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いたっ!

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla


餌を食べながら、ウェービングと呼ばれるハサミを大きく振り上げる行動をとっている。

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla

かわいい・・・

チゴガニの口の周りは繁殖期に青くなる。この個体はやや青っぽくなってきている。

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla


チゴガニ (Ilyoplax pusilla)の標本写真。
甲幅わずか3.6mm!小さい!!!

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla 甲幅3.6mm

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla 甲幅3.6mm


この場所では最も多くみられたヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus)。
鉗脚(ハサミ)の大きいのはオス。

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■ ヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus) Macrophthalmus japonicus

メスは鉗脚が小さい。

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■ ヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus) Macrophthalmus japonicus

香港ではおなじみのシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)。
ここでは個体数が少ない。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata

シオマネキメスの巣穴。盛り上がった形で面白い。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata


ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)はたくさんみられた。
オスは片方の鉗脚(ハサミ)が巨大化する。



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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

腹面。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

別の個体。オス。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

メスの鉗脚は両方とも小さい。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅8.9mm


ヒメアシハラガニ (Helicana japonica)。

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■ ヒメアシハラガニ (Helicana japonica) Helicana japonica 甲幅10.8mm



撮影を終えて、ホテルに戻ろうとしたところで、調査をしている人たちに挨拶する。
なんと広島大学の学生さんで、カブトガニの産卵を見るたびにはるばる来ていたとのこと。

しかも、カブトガニがいる場所まで教えてくれたっ!

産卵に向け、満潮を待っているカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)のペア。
大きい・・・

やっぱカブトガニはかっこいいわ・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


全く動かず、かといって産卵行動をしている訳でもなく。やはり満潮を待っているのだろう。
さっそく感動。

海へ来て頭痛も治ったし、今晩の撮影はがんばるぞ~!!!


<撮影種一覧> 6種
<カブトガニ類>
<甲殻類>


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by takuyamorihisa | 2017-07-26 21:00 | 福岡県 | Comments(0)

526 Tung Chung Bay ~香港の素晴らしい干潟とそこに生息する生き物たち その1~

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今日はTung Chung Bay(東涌湾)に行ってきた。

今、出張で香港に来ている。
前回に引き続き今回も休みを1日取って、香港の干潟を探索だ!!!

そして今回も忙しいスケジュールの中、案内してくださるのは香港城市大学のビリー博士だ。

今回の場所はTung Chung Bayというところ、漢字で書くと「東涌湾」。この対岸は空港だというのに、マングローブ林があるらしい。
今まで何十回もこの前を通りすぎていたけど、まさかこんなところにマングローブ林があるなんてっ!!!

電車とバスを乗り継いでTung Chung Bayの入り口へやってきた。
まずは林の中のトレイルを歩く。

ここで早速大きなカタツムリを発見っ!
あれ?でもこれアフリカマイマイ (East African Land Snail)じゃ・・・

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■ アフリカマイマイ (East African Land Snail) Achatina fulica

このカタツムリは世界最大級の種で、アフリカ東部から食用としてアジア各地に移入されている。
しかしこれが恐ろしい広東住血線虫という寄生虫を持っており、這った跡を触って、それが口に入るだけで寄生されることもある。
寄生されると好酸球性髄膜脳炎をおこして死ぬこともあるとても怖いもの。

さらに数分歩いて海岸へ。
ここからは長靴でエントリー。

ここは水面からはやや距離があり、赤い花をつけるオヒルギ (Black Mangrove)が生えていた。

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■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza

トレイルにもなっている砂の場所には、よく見ると小さな穴がいくつも開いている。

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この巣穴の犯人は・・・

日本にも生息しているハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)だ!

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea


白いハサミを振り上げる姿が白い扇を振り上げている姿に例えられて、白扇潮招きと呼ばれている。
体色は真っ白のものや、黄色っぽい模様に黒が入るものなど様々。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea


片方のハサミが大きいのはオスだけで、メスは両方とも小さい。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea

オスの大きなハサミはメスへの求愛に使われる。
メスに向かって、「こっち来~い。こっち来~い。」とおいでおいでをするのだ。

そして時には喧嘩の武器にも使われる。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea


iPhoneを使ってハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)の動画撮影にも挑戦してみた。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea

小さい方のハサミを使って砂を口に入れているのは、この中の有機物を濾しとって食べるため。
いつでも巣穴の中に逃げ込める様に右側の脚は常に巣穴に入っている。

続いて同じ場所でみられたScopimera intermedia (スコピメラ・インターメディア)。
このカニはかつて日本に生息しているコメツキガニ (Sand Bubbler Crab)と同種とされていた種。

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■ Scopimera intermedia (スコピメラ・インターメディア) Scopimera intermedia


この砂場から川の河口に少し降りると礫と泥が広がっている。
日本でもみられるトビハゼ (Shuttles Hoppfish)はここTung Chung Bayで最も多くみられる魚類。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus


この場所の石の上に見たこともないような変わった生物を発見。
Platevindex mortoni (プラテヴィンデックス・モートニ)。日本でみられるゴマセンベイアワモチは本種だと思われていたが別種の可能性が高いそうだ。
名前も姿も一体なんの仲間だろうといった感じだが、これでも貝の仲間。
上側に2本の小さな眼がみえる。

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■ Platevindex mortoni (プラテヴィンデックス・モートニ) Platevindex mortoni
S・Tさんにみていただいた。

同じドロアワモチの仲間だろうが、恐らく別種が他に3種も。

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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.


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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.

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■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.

難しすぎるっ!!!

巻貝の仲間。これも難しいので同定を断念・・・

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■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.

続いて底質が砂で、うっすら水が張っているような場所へ移動。

ここで念願のカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の幼生をビリーさんがみつけてくれた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

小さくてかわいらしいっ!!!
表面の泥を取り除いた状態。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


手のひらサイズの幼生も発見!!!
砂泥の中にある有機物を濾しとって食べている。写真左から右に向かって移動しながら食事しているところ。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


近くの石の下にいたトカゲハゼ (Walking Goby)。
日本にも生息しているが、個体数が少なく環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧ⅠA類(CR)に指定されている。
この絶滅危惧ⅠA類(CR)というのは「ごく近い将来における絶滅の危険性が極めて高い種」という意味。
干潟は生物の宝庫なのに、同時に簡単に埋め立てられるため開発の恰好の餌食にもなる。

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■ トカゲハゼ (Walking Goby) Scartelaos histophorus
S・Tさんにみていただいた。

フタハオサガニ (Hutaha Osagani)。

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■ フタハオサガニ (Hutaha Osagani) Macrophthalmus convexus
S・Tさんにみていただいた。

オサガニ属の1種 (Macrophthalmus)。

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■ オサガニ属の1種 (Macrophthalmus) Macrophthalmus sp.

同じくオサガニ属のカニ、Macrophthalmus erato (マクロフサルムス・エラト)。

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■ Macrophthalmus erato (マクロフサルムス・エラト) Macrophthalmus erato
S・Tさんにみていただいた。
*2017年7月21日にMacrophthalmus tomentosusから変更しています。

こちらは特徴が少ないので同定不能・・・

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脱皮中のクシテガニ (Parasesarma affine)。

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■ クシテガニ (Parasesarma affine) Parasesarma affine
S・Tさんにみていただいた。

巻貝の仲間。

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■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.

日本にも生息するオキナワイシダタミ (Monodonta labio)。

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■ オキナワイシダタミ (Monodonta labio) Monodonta labio


続いて芝生のような場所へ。
よく見ると芝生ではなく全て海藻。

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この場所でよくみられたのがNorthern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ)だ。
香港でみられるシオマネキ類の中でも、ハサミが「W」の形をしているので簡単に見分ける事ができる。

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis

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■ Northern Calling Fiddler Crab (ホンコンシオマネキ) Uca borealis


モクズガニ科Metaplax属という、日本には生息していない仲間のカニ、Metaplax longipes (メタプラクス・ロンギペス)。

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■ Metaplax longipes (メタプラクス・ロンギペス) Metaplax longipes

巻貝の仲間。

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■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.

ちょっと顔をあげると奥には高層ビルの姿が・・・
おかげでここまで来るのはとても便利だが、ここが埋め立てられる日が来るのではないかという不安も・・・

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この干潟での生息数はハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)と1位を争うのではないかと思うくらい、たくさんいるフタバカクガニ (Red-clawed Crab)。

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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens
S・Tさんにみていただいた。

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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens
S・Tさんにみていただいた。

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■ フタバカクガニ (Red-clawed Crab) Perisesarma bidens
S・Tさんにみていただいた。

マングローブの芽生え。
これはメヒルギ (Kandelia obovata) 。
果実は海水には浮き、淡水には沈むという絶妙な比重。
汽水域という特殊な環境を探し当てるため、果実を海にばらまき、生育するのに都合のよい塩分の場所で沈んで根をはり生息範囲を広げるという賢い方法をとっている。

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■ メヒルギ (Kandelia obovata) Kandelia obovata

こちらもメヒルギ (Kandelia obovata)の若木。

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■ メヒルギ (Kandelia obovata) Kandelia obovata


手前の水際の木はメヒルギ (Kandelia obovata)、奥はオヒルギ (Black Mangrove)。
オヒルギ (Black Mangrove)は水際よりもやや上の場所を好む様だ。


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■ メヒルギ (Kandelia obovata) Kandelia obovata
■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza

今度はマングローブ林を探検!

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ここでビリーさんがみつけてくれたのは
Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ)。
英名が示す通り、同じ海岸でもマングローブの近くでみつかったのには驚き!

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda

慣れないとカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の幼生とさっぱり区別ができないが、本種はより尾剣が長く、その断面が丸くなるので見分ける事が可能。

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■ Mangrove Horseshoe Crab (マルオカブトガニ) Carcinoscorpius rotundicauda

日本にも生息しているシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)。
片方のハサミが大きいオス。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata

ハサミが両方とも小さいメス。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata

マングローブの中を流れる小川の脇の日当たりの悪く、礫になっている場所にとっても鮮やかなシオマネキ類を発見した。
Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ)だ!
赤いハサミに黒と青の美しい甲。
こんなきれいなシオマネキがいるなんて~!!!

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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida
S・Tさんにみていただいた。

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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida
S・Tさんにみていただいた。

メスも美しい体色。

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■ Splendid Fiddler Crab (スプレンディッドフィドラークラブ) Uca splendida
S・Tさんにみていただいた。

色々と探索したが、やはりここにしかこのカニはいないようだ。
これだけ広大な海岸なのに半径5mくらいの範囲にしかいない。

恐らく淡水の影響が強い汽水域、マングローブ林、直射日光が当たらない場所、数センチの礫~小石に覆われる底質、石の表面には藻類がみられる。こうった条件だろうか。

それにしてもこの海岸はすごい!

空港のすぐそこにこれだけ豊かな生物相をもった干潟が存在しているなんて!!!
写真を撮っただけでも23種。同定が進めばもう少しこの数は増える。

通い始めて5年になるけど、香港の自然って実はすごいという事にようやく気が付いた・・・

*この記事に登場した種のほとんどをS・Tさんに同定していただきました。ありがとうございました。


<撮影種一覧>
23
<植物>
■ ヒルギダマシ (Grey Mangrove) Avicennia marina
■ オヒルギ (Black Mangrove) Bruguiera gymnorhiza
■ メヒルギ (Kandelia obovata) Kandelia obovata
<貝類>
■ アフリカマイマイ (East African Land Snail) Achatina fulica
■ オキナワイシダタミ (Monodonta labio) Monodonta labio
■ 腹足綱の1種 (Gastropoda) Gastropoda sp.
■ Platevindex mortoni (プラテヴィンデックス・モートニ) Platevindex mortoni
■ ドロアワモチ科の1種 (Onchidiidae) Onchidiidae sp.
<カブトガニ類>
<甲殻類>
■ クシテガニ (Parasesarma affine) Parasesarma affine
■ フタハオサガニ (Hutaha Osagani) Macrophthalmus convexus
■ Macrophthalmus tomentosus (マクロフサルムス・トメントサス) Macrophthalmus tomentosus
■ オサガニ属の1種 (Macrophthalmus) Macrophthalmus sp.
<魚類>


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by takuyamorihisa | 2016-08-21 21:00 | 香港 | Comments(2)

520 曽根干潟 ~2016年7月22日 カブトガニ産卵行動の記録~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

ホテルで休憩をとり、いよいよこの旅の目的である産卵行動の撮影だ!
21時くらいからみられるのではと高橋先生のアドバイスをいただいていたので、21時には現地入りしようと思っていたが疲れすぎていて到着したのは21:30。時間が減った~!しまったぁ~!

街頭がないため、懐中電灯がないと何も見えない真っ暗な砂浜に降りていく。
誰もいないので一人きりだ。(親父も過労でダウン笑)

余りにも暗いのでちょっとドキドキしながら周りを照らしてみる。
いきなりカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の死骸が目の前に広がったので、うわっ!と後ずさりした。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まずは照明のチェックを兼ねて夜になると活動が活発になるカクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani)を撮影。
さすがスピードライト600EX-RTはパワフル。まるで昼間のような明るさだ。

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■ カクベンケイガニ (Kaku Benkei Gani) Parasesarma pictum

トビハゼ (Shuttles Hoppfish)も満ち潮に乗ってどんどん沖からやってきた。
昼間よりもはるかに活性が高い。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus

準備運動は終わり!
さてここからが本番だ。
時間の経過とともにお伝えしたいので、ここからは時間付のレポート。

21:40

ドキドキしながら恐る恐る水面を覗いてみる・・・
いた~っ!!!
なんといきなりカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)のつがいを発見っ!!!
もう来ていたとは!来るのが遅すぎたかっ!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

おおっ!!!
こっちにもいた~っ!!!
今は満ち潮のためこの場所は水につかったばかり。
そのため砂浜にあったゴミが浮いている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

21:50

上とは別のつがい。
満潮時を狙って産卵にくるのは、少しでも水際から離れた場所の砂の中で卵を守りたい為。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

波がバシャバシャかぶるような場所でも気にせず産卵をする。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:00

産卵を開始しているつがいを発見!
産卵中は甲のヘリ2カ所から、細かい気泡が出てくる。この気泡はカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)が砂を掘り起こしたとき、砂の中に含まれていた細かな気泡が上がってきたもの。カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)が出す粘液と混ざっているため、水面に出ても中々消えない。
これが水の下で産卵行動を行っているカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)をみつける目安となる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:20

新しいつがいがやってきた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まずは産卵に適した場所を探すようにうろうろする。
そして気に入った場所がみつかると、そこでじっとする。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

メスは砂を掘って中に身体を埋めていく。
落ち着いたら先ほどの様に気泡が出始める。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


22:50


最初からいたつがいが産卵を開始したようだ。
気泡が出てきて、水面は泡でいっぱい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:10

高橋先生と合流。
気づけば水面は泡だらけに!!!
産卵行動がピーク!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


もしかしてすごいことになっているのではと真上から撮影。
すごいことになっていた。
この写真の範囲だけでも7つがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

感動と興奮でハイ状態に!このあたりくらいから訳が分かっていない。

1つがいが産卵を終え移動し始めた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

ゆっくりと真っ暗な海へ帰っていった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:20

先の密集ポイントとは別の水際で2つがいが産卵中。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

そのうち1つがいが産卵を終え、沖へと帰っていった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

その間に別の新しいつがいがやってきた。
産卵が終わって移動中なのかもしれない。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

水際のもう1つがい。
オスがもぞもぞし始めて、「もう帰ろうよ」とメスに合図する。
メスも帰る気になったらスッっと砂の上に顔を出して沖へと帰ってゆく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:30

先ほどの密集ポイントではつがいが次々帰り始めた。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

と思ったら、新たにやってきたつがいが。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


こっちにもさっきはいなかったつがいが産卵を始めている!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

さらにまた別のつがいが来て、砂の中に入っていく。
ピークが終わったと思ったら、全然そんなことはなかった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


23:40

カブトガニを守る会福岡支部の方たち。
さすが毎日調査をされているので泡だけでどこにつがいがいるのかすぐに分かる!


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また産卵しているつがいが増えている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


と思えば帰っていくつがいも。
ということは入れ替わり立ち代わりでものすごい数のつがいが来ているのではないだろうか。
途中までは頭の中でカウントしていたが、もはや分からなくなってしまった。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

23:50

沖に頭をむけ産卵するつがい。
通常は陸に頭を向けていることが多いので珍しい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

帰っていくつがい。
その下には産卵中の別の個体が見える。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


メスが砂のなかにすっぽり埋まっているつがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


波にあおられて雄の尾が水面から出ている。
あれ?
気付けばまたさっきより増えているのではないだろうか・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

帰っていくつがい。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


24:00

満潮。
潮位は下がり始めているような気がするが、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)は減るどころか増えているようだ。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


潮止堤を挟んで反対側の河口にもつがいたちの姿がみえる。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

砂浜でもまだまだ産卵中のつがいは多い。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


24:10

産卵を終えて帰っていくつがい。
帰っていくつがいの方が目につく。
普通に考えると減っていくはずなのに、つがいの数が多くなっている気がする!!!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


こちらも産卵が終わったもよう。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

砂の中からメスが頭を出す様子。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

そして帰っていく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まだ産卵中のつがいたちも。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


ここで状況がどうなっているのか引いて撮影してみることにした。
やはりすごい状況になっていた!
写真の中だけでも6つがい!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


高橋先生が興奮気味に口を開いた。
「あんた本当に運がいいよ~!こりゃ今シーズン一番多い!こんなにたくさん見れることはまずないけん!つがいがたくさん来とっても風向きによっては水が濁って写真なんてとれん。日ごろの行いがええんやね!この日に来なさいって言ったのがバッチリだったなぁ。」

その言葉をいただかなかったら、いつでもこれくらい見れるもんだと勘違いしていただろう。
それほどすごい事だったんだ!
来てよかったなぁとじわじわ喜びがこみ上げてくる。


24:20

つがいが次々と帰り始める。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


やはり先ほどの6つがいショットの瞬間がピークだったようで、あっという間につがいの数がみえなくなっていった。
まだ数つがいが残っているようだが、今日はこの辺でお開き。

水面には産卵の際に出た泡がたくさん残っていた。
命の営みの強烈なパワーを肌で感じた。

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曽根干潟、ここは本当に素晴らしい場所だ。
しかしカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)繁殖地としては危機的な状況にある。

写真でも分かるとおり、彼らは綺麗な砂の上に卵を産むが、この広大は干潟の中で砂が残っているのはほんのわずかしかない。
逆に産卵できる場所が少なすぎるから、今回の観察のようにカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵が密集してしまうのだ。
密集して産卵すると、一度産卵した場所を別のつがいが掘り起こしてしまうかもしれない。
密集して産卵するのと散らばって産卵するのとでは、彼らの場合散らばって産卵するほうが効率はよいだろう。

あなたたち人間は5年間ここを守る事が出来ますか?
という質問に対してはYESといえるかもしれないが、100年間ここを守る事が出来ますか?
と聞かれるとどうだろう。

土地の少ない日本で、干潟は埋立地としての恰好のターゲット。
しかも一度埋め立ててしまうと二度と戻ってこない希少な場所。

この場所を守っていきたいと思う人間を増やして次の世代に伝えていくためにも、まずはその素晴らしさを皆に知ってもらうという活動が重要なのではないかと思う。


<撮影種一覧> 3種
<クモ・サソリ・カブトガニ類>
<甲殻類>
<魚類>



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by takuyamorihisa | 2016-07-22 23:59 | 福岡県 | Comments(0)