611 曽根干潟 ~カブトガニの産卵と夏の自由研究~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

昨晩は夜遅くまでカブトガニ産卵の撮影をしたので朝起きるのが辛い。
がしかし、そうも言っていられない。

そのほとんどが夜の満潮時に産卵をするカブトガニだが、朝の満潮にやってくるものもいるのだ。

昨年は自分が観察していた浜の反対側が当たりで、透明度が高く最高の条件だったらしい。
今年は水中の様子を撮影できないかと、今回デジカメと水中ハウジングも持参してきている。

Google Mapを片手に航空写真とGPSから砂浜を歩いて探す。
こんなことが出来るなんて、15年前には夢のような話だった。今の世の中本当にすごい。
iPhoneに映し出される航空写真と全く同じの砂浜が姿を現したので、浜辺まで下りてみた。

いい感じの砂浜だが、明るすぎる。
こんなところへカブトガニが来るのだろうか???

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・・・

いない。

いる気配がない。

釣りでもなんでも、そう思うと負けで、急に勘が鈍くなってしまうもの。
産卵泡かなぁと思って近づくと、波が作った泡だったり・・・

やはり、初めて来る場所でカブトガニに出会おうとしても難しいんだろうなぁ・・・

と思っていると、海底に見える大きなシルエットがこちらへ向かってやってくる。

いた~っ!!!

「いないと思ったら負け」のジンクスをついにやぶったぜ~!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


立派なペアだ。産卵する場所を求めて移動している。
動きが遅いイメージのカブトガニだが、移動しているときの速さは結構速い。
例えるなら人間がゆ~っくり歩くときくらいの速さ。(遅いか・・・)

しばらく見ていると、ピタッと止まって前にいるメスの頭が砂に潜り始めた。
産卵を始めたようだ。

メスとオスの間くらいから盛んに泡が出始めた。
これは産卵泡と言って、産卵しているときの目印となる。


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


よし。
産卵を始めた状態であれば、多少近づいてもカブトガニに悪い影響を与えない。
今回のメイン、水中写真を撮るぞ~!

水の上から見た状態だと透明度が高そうなのだが、水の中はとても濁っている。
全然写真が撮れないっ!!!

やっと撮影できたのはアップすぎてなんだかよく分からない写真になってしまった・・・

メスの様子。
砂に潜っている事が分かる。
特に水の中で撮らなくても、水の上からでも観察できる光景なのだが・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


オスの様子。
オスの前体前縁はきゅっとくびれていて、メスに抱きついてもしっくり収まるようになっている。
これも特に水の中で撮らずとも分かる特徴・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


カブトガニの産卵は、一度その場で始めると20分くらいはじっとしている。
このペアの写真は撮らせてもらったので、別の場所にいるカブトガニを探す事にした。

歩きながら水辺をのぞき込む。
カブトガニはみつからない。
真夏の九州、炎天下、かなりしんどい・・・

すると向こうから子供達とお母さんおばあさんのファミリーが同じ様な行動をしているのが目に入った。
なんとこのファミリーもカブトガニを探しているとの事。

これは嬉しいっ!
曽根干潟のすぐ近くにあるホテルの人たちに話しても、「そんなものがいるんですか~?」と悲しい答えが返ってくるくらい、カブトガニは地元の人ですら無関心なマイナーな生き物だというのに、家族総出で、しかもこの炎天下に観察に来ているとは~!!!

まだいてくれ~と願いながら先ほどみつけたカブトガニのところへ案内する。

いたぁ~!


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


子供達の嬉しそうな顔がたまらない。
夏休みの自由研究でカブトガニを調べているそうだ。偉い!おじさん嬉しい!

水中写真の失敗もどこかに飛んで行ってしまう程、ルンルン気分で自宅へと向かった。


<撮影種一覧> 1種
<カブトガニ類>




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by takuyamorihisa | 2017-07-27 21:00 | 福岡県 | Comments(0)

610 曽根干潟 ~カブトガニの産卵~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

曽根干潟へ到着し、早速チゴガニ (Ilyoplax pusilla)たちの撮影。標本写真を撮影し、夕食をとり終えたころにはすっかりと満潮の時刻となっていた。

そう、カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)の産卵は夏の大潮前後の夜、満潮時に最も活発になるのだ。
大潮の満潮時は最も水位が高くなるとき。
この時に岸までくると、水辺から最も遠い場所に産卵することが可能となる。
水辺から離れた砂の中は水中よりも遥かに安全で、安定した温度が卵の発生を助けてくれる。

車を停め機材を用意し、浜辺へ降りていく。

街灯もなく、ひっそりとした雰囲気が集中力を高めて、生命感にあふれている海の力を感じさせてくれる。
ような気がする。

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懐中電灯を片手に波打ち際を注意深く観察する。
いたっ!!!

カブトガニのオスだ!

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


と思ったら何かおかしい。
これは死骸だ!

昨年は数々のメディアに取り上げられるほどの大量死がみられた曽根干潟だが、昨年ほどではないにしろ多くの死骸が打ち上げられている。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


砂浜から少し離れて捨て石の場所へいくと、生命感の塊のような光景に出会う事が出来た。
トビハゼ (Shuttles Hoppfish)の大群だ。
潮が満ちてくるのと一緒に波打ち際までやってきてくつろいでいる。

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■ トビハゼ (Shuttles Hoppfish) Periophthalmus modestus


それにしても去年ならこの時刻ですでに数組のつがいがいたのだが、今年は少ないのだろうか・・・

と思っていたら・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


来たっ!!!
カブトガニのペアだ!

前の大きい個体がメスで、オスは後ろ側にくっついている方。

ちょうど波打ち際で産卵を始めた。
なぜ産卵をしているのかどうかが分かるのかというと、メスが体を砂の中にうずめているから。
移動中は体全体が砂の上に出た状態。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


とても神秘的な光景だ・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

産卵は1箇所のみならず、数か所で行われることも多い。
産卵が終わるとメスは砂の中にうずまっていた体を出し、沖へと帰っていくか、次の場所へと移動してまた産卵する。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


産卵直後の砂浜。
きれいに埋め戻されているが、少しだけ周りと様子が異なる。


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いい場所を求めて移動中の別のペア。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


ここで日本カブトガニを守る会の高橋先生がいらっしゃった。
今年も来る時期についてのアドバイスをいただき、とてもお世話になっている。

高橋先生と(去年よりは多少進歩した?)会話をしていると、夕方に出会った広島大学の学生さん達、そしてこの地で長年カブトガニの調査をされている林先生も合流し、みなで感動を共有しながら観察をした。

こちらのペアはオスにたくさんのフジツボが。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


産卵を終えて帰っていく。
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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

また別のペア。
メスとオスの色味が違うペアだ。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

産卵を終えて帰っていく。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

移動中のペア。
4億年前のデザインからほとんど変わっていないだけあって、その姿にとても惹かれるものがある。
パッとみたときにどの生き物とも似ていないからかな・・・

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus

まだまだカブトガニたちは産卵を続けているのだが、明日は朝の撮影もしたいし、何より島根県まで帰るための体力も温存しておかないといけない。
という訳で、なごり惜しくも最後の1枚を撮影してホテルへ戻った。

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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


この光景だけは毎年撮影していきたいなぁ。
いつまでも彼らがこの浜で生命をつなげる事ができますように・・・


<撮影種一覧> 2種
<カブトガニ類>
<魚類>


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by takuyamorihisa | 2017-07-26 21:10 | 福岡県 | Comments(0)

609 曽根干潟 ~チゴガニのウェービング~

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今日は曽根干潟(Sone Tidal Flat)に行ってきた。

島根県松江市から北九州市の曽根干潟までは車で約5時間かかる。風邪をひいて割れるような頭痛の中、なんとか身体にムチを打って曽根干潟へやってきた。
狙うはカブトガニの産卵行動!

現在、日本のカブトガニの生息状況は危機に瀕しており、その姿を見る事が出来る場所はごくわずかしか残っていない。

曽根干潟へ来るのは今年で3回目。昨年は運よくカブトガニの産卵を撮影することができたが、今年は撮影できるだろうか???

夕方、ホテルへチェックインする前に干潟へと向かった。
満潮は午後11時半なので、今は干潮の状態。

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干潮時のターゲットはチゴガニ (Ilyoplax pusilla)。実はまだあまりいい写真を撮れたことがない。
確か去年はこのあたりにいたと思うけど・・・


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いたっ!

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla


餌を食べながら、ウェービングと呼ばれるハサミを大きく振り上げる行動をとっている。

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla

かわいい・・・

チゴガニの口の周りは繁殖期に青くなる。この個体はやや青っぽくなってきている。

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla


チゴガニ (Ilyoplax pusilla)の標本写真。
甲幅わずか3.6mm!小さい!!!

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla 甲幅3.6mm

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■ チゴガニ (Ilyoplax pusilla Ilyoplax pusilla 甲幅3.6mm


この場所では最も多くみられたヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus)。
鉗脚(ハサミ)の大きいのはオス。

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■ ヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus) Macrophthalmus japonicus

メスは鉗脚が小さい。

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■ ヤマトオサガニ (Macrophthalmus japonicus) Macrophthalmus japonicus

香港ではおなじみのシオマネキ (Bowed Fiddler Crab)。
ここでは個体数が少ない。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata

シオマネキメスの巣穴。盛り上がった形で面白い。

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■ シオマネキ (Bowed Fiddler Crab) Uca arcuata


ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab)はたくさんみられた。
オスは片方の鉗脚(ハサミ)が巨大化する。



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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

腹面。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

別の個体。オス。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅10.7mm

メスの鉗脚は両方とも小さい。

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■ ハクセンシオマネキ (Milky Fiddler Crab) Uca lactea 甲幅8.9mm


ヒメアシハラガニ (Helicana japonica)。

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■ ヒメアシハラガニ (Helicana japonica) Helicana japonica 甲幅10.8mm



撮影を終えて、ホテルに戻ろうとしたところで、調査をしている人たちに挨拶する。
なんと広島大学の学生さんで、カブトガニの産卵を見るたびにはるばる来ていたとのこと。

しかも、カブトガニがいる場所まで教えてくれたっ!

産卵に向け、満潮を待っているカブトガニ (Japanese Horseshoe Crab)のペア。
大きい・・・

やっぱカブトガニはかっこいいわ・・・


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


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■ カブトガニ (Japanese Horseshoe Crab) Tachypleus tridentatus


全く動かず、かといって産卵行動をしている訳でもなく。やはり満潮を待っているのだろう。
さっそく感動。

海へ来て頭痛も治ったし、今晩の撮影はがんばるぞ~!!!


<撮影種一覧> 6種
<カブトガニ類>
<甲殻類>


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by takuyamorihisa | 2017-07-26 21:00 | 福岡県 | Comments(0)

603 島根県産 ~マイカのパスタ~

今日は家で写真を撮った。

今日スーパーで購入した海産物はマイカ。
サイズが小さいためか、とても安かったので購入した。

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■ ケンサキイカ (Swordtip Squid) Uroteuthis edulis

このマイカというは地方名で、標準和名はケンサキイカ。
山陰地方で白イカと呼ばれる高級イカと同じ種になる。

それがなぜマイカと呼ばれるのだろうか。
このスーパーでは白イカは白イカとして販売されているので謎が深まる・・・

ケンサキイカには3つの型が知られており、メヒカリイカ型、ゴトウイカ型、ブドウイカ型と呼ばれる。
形態も異なっていて、成体は外見でどの型か見分ける事ができる。
山陰地方に生息するケンサキイカの型については、一度授業で習った事があるのだが、残念なことに忘れてしまった。もったいない・・・

恐らく白イカとマイカは別の型になるのだろう。このあたりはもう少し勉強をしないと。

このイカは熱を通しても硬くならないのが魅力。
オリーブオイルとニンニク、そして白ネギとケンサキイカを入れたパスタを作った。

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■ ケンサキイカ (Swordtip Squid) Uroteuthis edulis


う~ん、美味いっ!
余ったイカは冷凍しておいた。

イカは冷凍しても味が落ちないのが魅力。


<撮影種一覧> 1種
<頭足類>



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by takuyamorihisa | 2017-07-01 21:00 | 取り寄せ・市場購入 | Comments(0)