014 Ernest Thompson Seton Park ~紅葉がピーク~
今日は
Ernest Thompson Seton Park(アーネストトンプソンシートンパーク)に行ってきた。
川沿いに細長いこの公園は、北側でSunnybrook Parkとつながっていて、あわせるととてつもなく長い公園だ。
すっかり寒くなり、日本的感覚でいえば冬なのだが世間は秋。散歩を楽しむ人、サイクリングを楽しむ人がぽつぽつみられる。
木々も色づいて、紅葉はピークだろうか。今日は秋のTorontoを撮影するぞ~。
まずは芝生を歩く。
こんなに気温が低いのに、セイヨウタンポポが黄色い花を咲かせている。そしてその花に見たことのないメタリックグリーンの美しいハチがとまっていた。
寒さで動きが鈍くなっているので、接写のチャンス。
地面に這いつくばり、この美しいハチの姿を堪能しながら激写した。
いったい何人の人がこの小さなハチの存在に気づくだろう?自分だけ美しいものが見れて得した気分だ。
帰って調べると、左がAgapostemon sericeus (アガポステモン・セリケウス)で、右がAgapostemon virescens (アガポステモン・ヴィレスケンス)という種類だった。
ものすごい名前なのは学名だから。英名はないみたいだ。
結構英名のない虫って多い。こうしてみると日本はほとんどの虫に和名がついているからすごいと思う。
驚いたことに、ほとんどの花にこのハチがとまっていた。
芝生調査も終わり、別の地点へ。
初めての公園なので、どこになにがあるか分からないが、とりあえず勘で移動することにした。
やはり気になってしまうのが、森のなかに通じる獣道。
「ここから先自然エリア、自然を壊してはいけません。」
の看板にテンションがあがる。
枯れ草の原っぱを越え、ちょっとした丘を越えると、その下に池が見えた。
わくわくしながら進むと、池の周りで数匹のAmerican Robin (コマツグミ)をみつけた。夏は単独でいることが多かったが、秋はよく集団をみかける。
そういう習性なのだろうか。
池の水際まで来た。
ひとけがなく、いかにも珍しい生き物がいそうな池だ。
意識を集中し、水面、枯れ木、水中、巣箱と、生き物のシルエットを探す。
・・・
残念。マガモすら見あたらなかった。
池の奥にもまだ道が続いているので奥へと進む。
今度は松の林だ。
こっちの松は日本の松と比べ、やたらストレートに伸びている。
恐らく違う種だろう。
手入れされ、等間隔で並ぶ松の木。松葉が積もって地面が茶色に染まっている。
本当にきれいだ。
松林を抜けると、奥には草原が広がっていた。
恐らく昔の池が富栄養化で湿地になり、草原になったのだろう。
遷移というやつだ。
そして草原を探索中、できたてホヤホヤのシカの糞を発見!
湯気がでそうなくらいのフレッシュさだ。
まだ近くにいるはず!
得意の野生の勘でシカを追う。
まるで縄文時代だ。
奥へ奥へと30分ほど進んだだろうか。
あれ?
見覚えのある場所。
奥へ進んだつもりがただ円を描いて同じ場所に戻ってきてしまったようだ。
なんだか情けなくなり、シカを諦めた。
シカには出会えなかったものの、自然エリアではEastern Phoebe (ツキヒメハエトリ)、Northern Paper Wasp (ノーザンペーパーワスプ)、ナミテントウ (Multicolored Asian Lady Beetle)などを撮影することができた。
ナミテントウはアブラムシを食べる益虫としてアメリカに導入され、定着してしまった帰化種だ。
整備された公園エリアに戻る。
そうだ紅葉の撮影を忘れていた。
あいにく今日は曇りで色がきれいにでないのが悔しいが、カナダの紅葉を撮影した。
赤くなるメイプル(カエデ)と黄色くなるメイプルは違う種類だと聞いたことがあるが、これらは何の種類だろうか。
植物は苦手だが、がんばって調べよう。
日本の紅葉はもみじのイメージが強く、小さいイメージだが、こちらは豪快。
葉が大きく量も多いので落ち葉がすごい。
真っ赤な葉っぱのマットは本当にきれいだ。
グリーンの芝に黄色の落ち葉も素晴らしい。
名前が分からないが、この植物の紅葉っぷりはすごかった。本当に真っ赤だ。
公園エリアではマガモ (Mallard)、Eastern Gray Squirrel (トウブハイイロリス)とおなじみの種しかいなかったが、秋らしい写真が撮れた。
今日はたっぷりTorontoの豪快な秋を堪能することができた。
ありがとうE.T. Seton Park。
<撮影種一覧> 15種
<菌類>
■ キノコ類の1種 (Mushroom) Fungi sp.
<昆虫類>
■ ナミテントウ (Multicolored Asian Lady Beetle) Harmonia axyridis
■ Common European Crane Fly (コモンヨーロピアンクレーンフライ) Tipula paludosa
■ Clouded Sulphur (アメリカモンキチョウ) Colias philodice
■ ヒメバチ科の1種 (Ichneumon Wasps) Ichneumonidae sp.
■ Northern Paper Wasp (ノーザンペーパーワスプ) Polistes fuscatus
■ Agapostemon sericeus (アガポステモン・セリケウス) Agapostemon sericeus
■ Agapostemon virescens (アガポステモン・ヴィレスケンス) Agapostemon virescens
<哺乳類>
■ Eastern Gray Squirrel (トウブハイイロリス) Sciurus carolinensis
<鳥類>
■ マガモ (Mallard) Anas platyrhynchos
■ Red-tailed Hawk (アカオノスリ) Buteo jamaicensis
■ Eastern Phoebe (ツキヒメハエトリ) Sayornis phoebe
■ American Robin (コマツグミ) Turdus migratorius
■ European Starling (ホシムクドリ) Sturnus vulgaris
■ Northern Cardinal (ショウジョウコウカンチョウ) Cardinalis cardinalis
by takuyamorihisa | 2009-10-19 22:34 | Canada